いよいよ、受験当日。
いよいよ2月1日の朝。雪が降ることもなく晴天。風邪もひかずにこの日を迎えることができたことが、まず本当によかったです。
朝ごはんを軽く食べ、いよいよ出発。1校目のC校は安全校。とにかく近さで決めたので、夫に車で会場まで送ってもらいました。
わたしは付き添いで、食堂でひたすら待つことに。いよいよ始まる…と思うと気が気ではなくなり、違う学校を受験しているママ友と他愛ないLINEをして時間をやり過ごしました。
お昼ごろに試験が終了し、会場から出てきた息子の顔を覗き込み、「…どうだった?」と恐る恐る聞いてみると、「俺さぁ…ここ落ちたら、多分名前を書いてないとかそういう理由だと思うわ」とつぶやきました。
こちらの学校を受験することに決めたのは、ひとえに近さだったのですが、一般的な中学受験の基準からするとかなり易しい問題を出す学校。
何度か過去問も解いて「まず大丈夫」と言われていたので、大丈夫だろうと思っていましたし、息子のコメントを聞いてできた自信もあるのだろうと予測し、少しホッとしました。とはいえ発表を見るまではドキドキです。
次に、本命校のA校に移動。夫に最寄り駅まで送ってもらい、電車で移動です。
試験時間は午後3時からでしたが、電車が止まったりすると大変なのですぐに現地まで移動しました。
A校では早めの時間にカフェテリアを解放してくれるそうで、お昼ご飯を途中で買い、カフェテリアで食べることにしました。
多くの学校が2月1日の午前中に試験を設定するので、午後受験は遅めの開始で子どもたちの負担を軽減するために国算2教科に設定していることが多いです。
わが家は本来4教科受験が必要なA校を、この午後受験の一発にかけて2教科で挑み、ダメなら2回以上試験を受けた人への「優遇措置」を狙うことになっていました。
優遇措置とは、複数回受験した生徒には、いままで受けた国算2教科の試験成績の一番いい成績を取って判断をしてくれる制度のこと。
第1志望の生徒を入れたいという学校側の気持ちから、こういう制度があるのだそうです。
息子は体力もなく、できるだけ早く終わりにしたいと思っている様子だったので、1日で決めないと気持ちが持たないかなと思っていました。
本命のA校でも、いつも通りに力を発揮できれば合格できるはずだと担任の先生から言われていたので、わたしも「平常心」を装うことに必死でした。
息子は平常心を装っているのか本当に平常心なのか、電車でA校に移動中もスマホゲームに夢中。
A校のカフェテリアに到着すると、すでに多くの受験生親子が来ていました。昼ごはんを食べてもかなり時間が余ります。
周りは参考書を見て勉強をしている生徒ばかり。不安になったわたしは息子に「参考書とか見なくていいの?」と聞きましたが、「だって平常心が大事なんでしょ」と言いながらスマホゲームをしています。まぁそうなんだけどさぁ。
そしてA校のカフェテリアにいる時間に、早くもさっき受けたC校の合格発表がありました。
ネットで確認すると「合格」の文字が。しかも8割以上の得点で特待生合格でした。
息子に知らせてしまうと気が緩むと思い、トイレに行くふりをして担任の先生に電話。合格を告げました。これで「全落ち」は回避です。正直、ホッ…。
息子に言いたくて仕方ないけれど言ってはいけない…とモゾモゾしているうちに、突如息子が「やべぇ、なんか緊張してきた」と言い出しました。
手を触るとめちゃくちゃ冷たい。これはまずいと大慌てした私は、即座に担任の先生に電話。
「さっきまでスマホゲームしていた息子が、まさかの緊張しています!何か言ってください!」とSOS。
息子は先生からいろんな言葉をかけてもらったようで、少し安心したようでした。
電話を切って「ちょっと落ち着いた」といい、わたしもひと安心。緊張しすぎて頭が真っ白、実力が発揮できずという話はよく聞いていたので焦りました。
そういうのも含めて中学受験は「小学生の受験」なんですよね。
そうこうしているうちに、同じ塾で仲良しの友達もA校を受けるとのことでカフェテリアに合流しました。
友達の顔を見るなり「おーいまスマホゲームやってるから対戦しようぜ」とさらに通常モードに。この調子ならいつも通りの実力が出せるかも。
すると学校から「すでに集まっている受験生の方はこちらに来てください」との声が。
友達が一緒だったため「おー行こうぜ」といつも塾に行くかのように、わたしたちを振り返りもせず会場に入っていきました。
待ち時間の間は、塾のママ友と一緒におしゃべりしてしのいだので気がまぎれました。
やっぱりうえの空だったのか、何を話したかは覚えていませんが、友達が午前受験に行った学校のことなど他愛もない話だったと思います。
その友人は午前に受験した学校が本命で、A校はサブで受けに来ていました。
そして試験の待ち時間の間に、本命の学校の合格が判明。A校のカフェテリア内で騒ぐわけにもいかず、そのママは完全に動揺して半泣き。思わずその姿におめでとうと言いつつ笑ってしまいました。
うちはC校に受かってはいたけれど、やはり難易度的にかなり違うA校に受かってくれたらと思っていたので、友人の合格は嬉しいけれど、手放しでは喜べません。複雑な気持ちになりながら試験の終わりを待ちました。
そして試験終了。生徒たちが出てくるなか、息子を見つけました。
「どうだった?」と聞くと「んーふつう」との返事。まぁ「ふつう」にできたら大丈夫と聞いていたから、きっと大丈夫なはず…と思うしかありません。だって試験は終わってしまったんだから。
人生で一番長い1時間
試験後は、塾に行くことになっていました。先生は試験問題を解き、その場で答え合わせをざっとして、大丈夫そうならすぐに帰し、危なさそうなら翌日の対策をするそうです。とにかく塾に顔を出すので、すでに合格した友人と一緒に塾へ。
ただ、その友人はすでに本命校の合格もわかっていたため、思いっきりお祝いモードな空気。息子たちは気にせず楽しく話していたけれど、わたしは一緒にいて複雑でした。
たぶん大丈夫だと思うけど、もしものことがあったら…と気が気ではありません。
塾に到着し、息子たちが塾に行っている間、ご飯を食べながら待とうということになりました。
すると店に入った瞬間に、息子たちから「終わった」との連絡。どうやら先生が「翌日対策の必要なし」ということで返した模様。
先生はクラスの子たちのケアで大変なので電話するにも気が引けて、そのまま入ったお店で一緒にご飯を食べることになってしまいました。
祝杯ムードの友人親子に巻き込まれてビールを飲んでしまいましたが「いや、まだうち祝杯あげられないんだけど」とひっそり思いつつ、子どもも気がまぎれるからいいかと一緒に晩ごはん。
ちなみにA校の合格発表は、当日夜の10時、ホームページで行われます。万が一落ちていれば、翌日も早朝から試験に行かなければなりません。
お祭りムードの友人たちと別れ、帰宅したのは夜の8時ごろ。発表まであと2時間ですが、全然時間が経ちません。
ソワソワしてしまうのでお風呂に入ってみても、1時間しか経っていない。
さすがの息子もどう時間を過ごしていいのかわからないようで、ソファに横になってひたすらスマホを眺めていました。
発表まであと1時間。何をやっても落ち着かないなか、人生で一番長い1時間を過ごしていました。
- これまでの「逃げ」の中学受験
- 「高校受験回避」も、選択肢のひとつ。マイペースな息子の“逃げの中学受験”
- 勉強は嫌い、集団行動は苦手。マイペースな息子が「中学受験」に乗り気になった理由
- 勉強嫌いな息子に中学受験は無理なのか?何度も打ち砕かれそうになった「塾選び」
- 「座って話を聞く」から始まった受験勉強。息子を大きく変えた塾の指導方法
- 「丸投げ塾」で親子ともハッピー!?勉強嫌いの息子の中学受験奮闘記
- 勉強嫌いな息子の中学受験。直前の「志望校決め」と「前受け戦略」
- 「受験勉強、飽きた!」残り10日で突然やる気をなくした息子とカリスマ塾講師の秘策
- image by:Shutterstock
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。