子どもを叱るとき。つい、「なぜそんなことをしたの?」と問い詰めるように質問をしがち。しかし、ほとんど子どもからの答えは期待に応えるようなものではありません。結局、黙ってしまうか、言い訳をされて、さらにイライラしてしまう。
当然と言えば当然です。親としてはしっかり反省して同じ過ちをしないでほしい。成長してほしい。良くなってほしい。心の底から、子どものことを思っていると思います。
しかし、イライラして感情的になって、「なぜそんなことをしたの?」と問い詰めても子どもは正しく反省しません。「もう怒られないようにしよう」と考えるだけなのです。または、「見つからないようにすればいい」そんな風に考えることもあります。そこで、今回は、「前向きに叱る」ということについてお話します。
気持ちではなく、経緯を聞く
叱るときは、気持ちではなく経緯(状況)を聞きましょう。なぜなら、多くの子どもが自分の気持ちをよくわかっていないから。わからないことを問い詰めても、言い訳が出てくるだけなのです。
だから、起こった事実を聞く。一見、子どもの反省に繋がらないように感じるかもしれませんが、いっしょに起こった事実を振り返ってみてください。必ず、間違った部分に自ら気づきます。ただし、その間違いを責めてはいけませんよ。「次から気をつけようね」そのひと言で十分です。
その後は、本人の次の行動に期待して任せましょう。生ぬるいと思うかもしれませんが、何度かトライしてみてください。成長を感じることができます。だって、子どもはすでに反省しているんですから。
1度肯定してみる
子育てをしていると、子どもの成長とともに叱ることが増えて、逆に褒めることが減ってきます。それは、ある時期から親の期待が子どもの成長を上回ってしまうからです。初めてしゃべった、初めて歩いた…子どもの成長に喜びを感じ、嬉しくなり、思わず褒めてあげたくなります。
しかし、3歳を過ぎて小学校に入る前後ぐらいから褒める機会はぐんと減って、叱る機会が増えていきます。お子さんが中学生ぐらいになると、叱るばかりで「褒め方を忘れてしまいました」なんていう親御さんも少なくありません。そうなってしまうと、ほとんどの親御さんはお子さんの真の姿を見ることができなくなります。もちろん、親が子どもの全てを知る必要はないと思いますし、知らない部分があって当たり前。それが将来の独り立ちにも繋がります。しかし、いつも叱ってばかりいると、お子さんを正面から見ることができなくなってしまうのです。
そこで意識してほしいのが、「お子さんを1度肯定してみること」。叱りたい、否定したい気持ちをグッと抑えて、子どもの言動は正しい、間違っていない、叱るほどではない…そんな風に考えてみてみる。理解できないことも多いでしょう。しかし、不思議なもので肯定的に考えるだけで、お子さんに対する見方が分かります。
話の中身も態度も違って聞こえ、見えてきます。お子さんが変わるわけではありません。自分も変わる。そうすると新しい発見が必ず生まれます。ただ闇雲に許すのではありません。1度、心の中で肯定してみるだけです。
その上で、親としてきちんと考え、伝える。当然、冷静にもなれます。叱り方も変わります。思っている以上に想いも伝わります。1度、トライしてみてください。
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