こんにちは。NPO法人若者メンタルサポート協会理事長をはじめ「こころ」に関するさまざまな活動をしている、心理カウンセラーの岡田沙織です。
きょうは、私のメルマガ「3万人を笑顔に変えた 『自分と向き合って人生を変える心理学』」内のコーナー「今週のニュースから読み解く心理学」に掲載した、タレント・メンタリストのDaiGoさんの差別発言についての心理学的解釈をお届けします。
DaiGoさんの発言の背景にあるもの
今週もいろいろ気になるニュースがあり、私個人としてはいくつか取り上げたいトピックスがあったのですが、心理学の観点からいうと、やはりタレントのDaiGoさんの発言のニュースでしょう。
このニュースは、DaiGoさんがご自身のYouTubeのなかで、ホームレスや生活保護受給者の人たちの命や人権を軽視するような発言をしたというもの。
私は日ごろネットで情報収集をしているのですが、ネットニュースが2日間ほどこのDaiGoさんの話題でいっぱいでした。
発言の内容は、「生活保護受給者やホームレスの命はどうでもいい」「生活保護の人とホームレスは社会にいらない」「邪魔だし、プラスにならない」「犯罪者を殺すのと同じ」といったもので、最初にこのニュースを見たとき、彼に何があったの?と、むしろ彼の精神状態が心配になったくらい衝撃的でした。
ただ、いろいろ調べていくと、彼は過去にいじめにあったことがあるそうで、そのときの経験がいまだに彼のなかにあって、まさに 『自己受容』 ができていない状態だということを感じました。
また過去にはYouTubeで、学生時代の教師に対して「僕のほうが税金を多く払っているから上」といったような発言もしていたようで、どうやら学生時代に傷つくことがあったことを感じます。
DaiGoさんの持つビリーフ
有名になり、収入も何十億と稼ぐようになったDaiGoさん。今回の発言にも、過去の発言にもたびたびあるように、「税金を多く払ってるんだから、僕の方が上、勝ち組」という彼の発想に、DaiGoさんのさまざまなビリーフや傷ついた心が見て取れます。
今回の件でいくつか謝罪動画がアップされており、そのなかでもいじめについて言及されているようですが、やはり彼のなかにいじめに遭った体験がいまも根強く残っているのだと思います。
そのときに彼のなかで芽生えたものは悔しさでしょう。二次感情である「怒り」 をどこかに抱えたまま、彼はいままで頑張ってきたのだと思います。「見返してやる!」というのが彼のモチベーションでもあったと、そんなふうにも感じます。
彼の言葉のなかに、「税金」というワードがたびたび出てくるのですが、きっと彼にとっては影響力や社会的地位はもちろんのこと、経済的な成功が一番の大事な価値基準となっているのだと思います。
DaiGoさんにはお会いしたことがなく、共通の知人を通してお話を聞いたことがある程度なので、ここからは「そうした発言や思想を持つ人の心理」という観点でお話ししたいと思います。