こんにちは。垣屋美智子です。現在私はスタートアップ企業の財務・経営支援をするほか、「誰でも今すぐできる」をテーマにマネー、ライフ、キャリアについて執筆、講演活動を行っています。
きょうは、「フルタイムで働くことに限界を感じており、パートタイムで働こうと思うが、フルタイムで働いている人たちに引け目を感じてしまうのでは…と考えている」というお悩みににお答えしました。
読者からの質問:「パートタイム」で働くか悩んでいます
3歳と5歳の二児の母です。垣屋美智子さんのメルマガ『キイトク』や「令和の女性の働き方は?妻であり、母である私は何を目指してどう進めばいいのか」の記事を読み、とても共感しました。
世の中ワーキングマザーとして頑張っている方が多いなかで、フルタイムで勤務することに限界を感じており、もうすぐフルタイムでの仕事を辞めて、資格を活かしてパートタイムで働こうと思っています。
子どもを産む前は職場でパートタイムで仕事をしている人たちを見て、「片手間で仕事をしてほしくない。もっと頑張ればよいのに」と、ちょっと軽蔑な目線で見ていたのですが、実際に自分がそうなろうと思っていることで、私が頑張ってないだけなんじゃないかと考えてしまいます。
実際、経済的なことを考えると私がパートタイムでも働いたほうがよいので、仕事を完全に辞めることは現実的ではありません。
でもパートタイムで働くことで、フルタイムで働いている人たちに対して引け目や劣等感を感じると思い、いますごく悩んでいます。
フルタイムで働きながら子育てもするって無理!
私もフルタイムの仕事を辞めたときに同じような気持ちでしたので、質問者さんのお気持ちがすごくよくわかります。
実際にフルタイムの仕事を辞めて、独立して2年くらいは、「私が頑張っていなかったからなのでは」「違うやり方をすれば働き続けられたのでは」と思っていました。
でも、振り返ってみて、いまは自信を持って言えます。 私は十分頑張っていたけれど、高見を目指して会社を辞めたのだと。
子育ては人を育てることです。仕事において新卒の子を育てるのも相当に大変なのに、赤ちゃんから育てるとは24時間みっちり使うものです。それなのに、現代社会はバリバリのワーキングマザーをロールモデルにしたりしておかしいと心から思っています。
だからもう一度言いますが、「フルタイムで働きながら子育てもするって無理」です。
そんな無理ゲーにチャレンジしたい人はすればよいと思いますが、それはその人の希望です。自分が無理ゲーをクリアできなかったからと言って引け目や劣等感を感じる必要は全くないのです。
皆それぞれ働くことの意味は違います。
たとえば、私の当時の職場の女性の先輩は配偶者が専業主夫で自らが収入源なので、家計のために、会社で働き続けて給与を得るのがやりたいことでした。
彼女は子育ては夫が全部カバーしてくれるわけですから、私より全然楽な条件で仕事ができるわけで、毎晩海外との電話会議に参加して60分のうち30秒くらい話して、参加していることをアピールしていました。
彼女はいまも同じ仕事を同じようにやっているようですが、では彼女は勝ち組でしょうか?
私は共働きが合っているし、夫婦で収入も子育ても協力したいタイプ。なので、社内政治のための海外オフィスとの電話会議参加より、家族と仕事の両立の方が大事でした。
彼女があんなハードワークを継続しているのはすごいと思いますが、「勝ち組だ」と感じるかどうかは人それぞれだと思います。
自分の特権を生かす
まだまだ日本の職場は、「配偶者が専業主婦かパートタイム」ということが男性が仕事をするうえで特権かもしれません。
一方で、私の特権はその真逆で、共働き夫婦であることです。独立するという判断がより簡単にできたのは夫と収入面でも協力していたからで、それを十分に生かしていると思います。
質問者さんも、資格を持っているからこそパートタイムで働けるわけで、それは特権です。
私の女友達には医者や薬剤師がいますが、子育て期間中のいまは皆パートタイムで仕事を継続していて特権を生かしています。
医者の友達は、パートタイムになったから仕事に向き合っていないわけではなく、クリニックの医院長になったりしていますし、「母親としての経験がある医院長のいるクリニック」というのは地域貢献という意味でもいいと思います。
自らの幸せのために行動を起こせるというのは凄いこと
子育てを機に葛藤をして行動を起こすって女性あるあるだとも思って、改めて女性ってすごいと思っています。
質問者さんは資格を生かした仕事をされているということで、資格を取得したときに描いていた自分とは違う道を歩もうとしていることが、挫折した気持ちに繋がっているんだと思います。
一方で、いまの決断がよいものになるかどうかは今後のあなたの行動次第です。
信念をもって就いた職業ならば、どんな形であってもその信念が変わることはないのではないでしょうか。
先ほども書いた通り、私も会社員を辞めて最初の2年は自分の決断に自信が持てませんでした。でも、退職を決断したのも自分です。子どものせいにも、配偶者のせいにも、勤務先のせいにもできません。
自らの幸せのために行動を起こせるということがまずはすごいことで、その後に劣等感などは絶対感じないはずです。応援しています。
- image by:Unsplash
- ※掲載時点の情報です。内容は変更になる可能性があります。