ニュースでは毎月のように物価高の話題が取り上げられ、お財布を圧迫されている方も多いのではないでしょうか。
そんななか、巷ではここ数年副業が注目されており、社員が副業をすることを解禁する企業も少しずつ増えてきているそうです。
ライターのひとりとしてこうしてコラムを書いている僕も、ライターとは別に本業を持っている「副業」ライター。今回は僕が副業をしながら感じていることをお話しします。
副業のメリット
副業を始めるきっかけは経済面や表現活動をしているからなど、人それぞれ。僕の場合は、20代の終わりにとあるプラットフォームでLGBTQ+当事者としての体験談を書き始めたことが副業に興味を持ったきっかけでした。
子どものころから文章を書くことが好きだったので、体験談以外にも考えていることや購入品のレビューなどを頻繁に書くようになり、書くことに慣れたころに細々とライティングの仕事をはじめました。
副業をはじめてみて感じたことのひとつは、収益に対する意見の反映がしやすいということです。
たとえば、実際に実業務をスタートしてみたら契約時と内容(工数や手間)が異なり割に合わなくなってしまった案件があるとします。
そんなとき、最初はクライアントに値上げ交渉をするのが気まずさを感じ、割に合わなくてもすべての業務をクライアントの言い値で承っていました。
しかしそれではいけないと思い、いまは相手が頷く範囲内で金額に対して打診をしています。毎月給与をもらっている本業では、なかなかそうはいきませんよね。給料が割に合わなくても、勤め先を取り巻く世情や社内の経済状況などで簡単にはアップしてくれません。
副業においても、案件を増やすことは大変で別の苦労がありますが、本業のように昇給のタイミングが決まっているわけではないので意見を反映しやすく、結果的に収入をアップしやすいなと感じました。
また、副業での成果をクライアントに喜んでもらえると、本業で嫌なことがあった際のモチベーションになるとも感じました。
週の大半を働いて過ごすなかで、仕事に関して「ここにしか居場所はない」と思うと、状況によっては自分を追い詰める要因になってしまうことがあるのではないでしょうか。
実際、僕も仕事がうまくいかない時期に「自分は仕事ができない」と考えてしまうことがあったけれど、副業でクライアントに喜んでもらえたことを思い出すと、少しだけ気が楽になりました。
本業ではなくても、仕事での成功体験は自信として少しずつ積み上げることができるのです。
これはよく言う、「依存先を増やす」ということに似ているかもしれません。
仕事がうまくいかないとき、人は少なからず自信をなくしてしまいます。そんなとき、副業で自分の仕事が求めてもらえていれば、それだけで落ち込む度合いはいくらか少なくなるように感じませんか?
僕は仕事でうまくいかないことをぐるぐると思い出して気落ちしたときに、副業の執筆や作業に集中することで本業のことを考えないようにもしていました。これはあまりいい例ではないかもしれませんが、そういう用途もあります。
最終的には限りなくブラックに近いグレーな企業だった前職のから転職する際、辞める勇気を後押ししてくれるお守りにもなりました。たとえ数万円でも、月々の収入が0ではないことは自分のこととはいえとても心強かったのです。