20歳年上の夫と高1マイペース息子を持つアラフィフ主婦ライター、塩辛いか乃です。
家でまったく勉強しない、勉強アレルギーの息子を中学受験させようと一念発起。息子に合う場所を探し回って出会った運命の塾に通い、ついに受験当日を迎えました。
第一志望の受験会場で一緒になった息子と仲良しの塾友が、先に別の学校の合格を知り、舞い上がっていたムードに飲み込まれてしまったわたしたち親子。
息子の志望校は午後の受験だったので、夜の10時に合格発表。もしそれがアウトなら、翌日も朝早くから受験に行くことになっていました。
- これまでの「逃げ」の中学受験
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- 「丸投げ塾」で親子ともハッピー!?勉強嫌いの息子の中学受験奮闘記
- 勉強嫌いな息子の中学受験。直前の「志望校決め」と「前受け戦略」
- 「受験勉強、飽きた!」残り10日で突然やる気をなくした息子とカリスマ塾講師の秘策
- その子によって、全然違う?マイペースな息子の「中学受験当日のスケジュール」戦略
ついに合否発表のとき。結果は…
東京・神奈川の中学受験は、2月1日を皮切りに、連日午前・午後と行われ、だいたい5日くらいまで試験が続きます。
トップ校は1日のみの受験日でも、中堅校以下は複数回受験のチャンスがあり、もしダメでも再チャレンジできる学校も多いのです。
そのため当日中に合否結果が出るところも多く、その合否結果を見て翌日どこの学校を受験するかを戦略的に考えるなど、本当に目まぐるしいスピードで受験が展開していきます。
Web出願、もちろん合否もWebサイトで発表されます。
息子は本番1週間前に「まだ1週間もあるの?」とやる気をなくしていたので、2日目以降にもつれ込むことはどうしても避けたかったのですが、こればかりはわかりません。
しかも息子の受験はよくある「国算理社」の4教科受験とは違い、本来4教科で受けなければならない学校を2教科で突破するという綱渡りな計画でした。
中学受験の理社の範囲は膨大で、中学で習うほとんどが試験範囲となります。
勉強に対する意識が低い息子たちのクラスの子にとっては、中学受験のキモとなる算数に加え、この膨大な内容を暗記するキャパがないということで、できるだけ2教科受験で行くように勧められていました。
その分算数を猛特訓されていたので、算数の成績は比較的安定していました。
初日は午後だったので2教科指定の受験、その後2月2日、3日と4教科受験なので理社をやっていない息子は確実に落ちます。
だけれども複数回受験した人にはチャンスとして2教科の合計が一番よかった点を取って合否判定してくれるという優遇措置があり、1日に受験した学校が不合格だった場合、この優遇狙いで落ちるのをわかっている4教科受験をしに行く必要がありました。
息子は学校に対するこだわりもなく「早く終わらせたい」という気持ちが前面に出ていたので、もし落ちたら、午前中に受けて合格をもらっていた滑り止めの学校でいいと言うだろうと予想していました。
照準は第一志望に合わせていて、難易度も結構違ったので、親としては第一志望に行ってほしいところ。
第一志望の学校の過去問は常に合格点ボーダーを大幅に超えていたし、先生からも「平常心でやればまず大丈夫」と言われていたので祈るような気持ちでその時間を待ちました。
こんなに時間が経つのが遅いと感じたことはいままでにない、というほど時間が経ちません。
帰宅すると午後8時。合否発表は午後10時。あと2時間「も」あります。
じっとしているとたまらない気持ちになったので、先にお風呂に入ってみたものの、気持ちが落ち着かなくてほぼ時間が経たず…。
ほかの学校を受けた友達たちもすでに合格は出ているようですが、とにかく息子の結果が出るまでは連絡を取らないでおこうとガマン。
学校の発表サイトを開いては閉じ、ネットサーフィンをしようと思っても何も情報が入って来ず。
息子もずっとYouTubeを静かに見ていましたが、いつもとは違い緊張した面持ちでした。
発表10分前。もういてもたってもいられません。1分が長い!見たいけど見たくない、うっかり早く発表されるかも?そんなことばかり考えながら発表サイトの前でドキドキしていました。
息子にも一緒に画面の前に来るように声をかけましたが、「怖くて見れない」と近寄っても来ません。
いつもはのんびりしている息子も、さすがにかなり緊張していたようです。
そしていざ1分前。もうじっとしているのも無理になり、ブラウザの更新ボタンを1分間連打すると決めて、ずっと更新を押していました。
すると10時過ぎ、ふわっと現れた合否結果の画面。
合否結果は「合格しました」と出るタイプと、合格番号が発表されるタイプとあり、第一志望校は番号発表で自分で探すタイプでした。
受験番号をドキドキしながら探します。あるか、ないか、あるか…ありました!
見間違いかと思って何度も見直しました。手が震えて頭は真っ白、もうなんだかよくわからない感情でしばらく声が出ず。
息子にも「…あったよ」と小さい声で伝えると、息子も「え…」と小さい声。まだそれを知る勇気が出ないようでした。
「受かったよほら、見て!」と画面を見せると、「やったー!」というのが照れくさいのか、「あぁ…」と思わぬリアクション。
なんとその時間、夫はお風呂にゆったり入っていました。ちなみに夫はこの物語にほとんど出てきませんが、それは「全く興味ない」からノータッチだったのです。
塾の送迎など物理的なことはやってくれましたが、そもそも受験とかに興味のない夫は「どこの学校に行っても人生変わらない」と受験にも一切動じず。
さすがに合格の瞬間は一緒に、と思っていたのにお風呂に入ってしまうというズッコケっぷり。
わたしひとり、叫びたい気持ちを抱えてお風呂にダッシュし「受かったよ!」と泣きながら言ったら、「泣くほどのことじゃないだろう」とクールに返されました。いや、泣くほどのことですよ!
こうして家族とは喜びをあまりわかち合えないまま、塾に速攻電話。受験結果が出る日には、先生方が深夜まで待機しています。
同じ学校は数名受けているし、生徒が受けた学校の発表は塾でも見ているので結果は知っていますが、合格の報告。お礼の言葉を伝え、大興奮でお話しして電話を切りました。
そしてふと気づきました。実はいちばん最初に見に行った学校に憧れ、チャレンジ校として記念受験的に出願していた試験があしただってことを。
けれど、その学校は4教科受験なので歯が立ちません。現実問題受からないのですが、以前息子に「受けなくてもいいよね?」と言ったら、「いちおう受ける」というのでメンタル維持のために出願。
その試験が、あしたたの朝だったのです。もしきょうの試験が落ちていれば、翌日第一志望に行くはずだったのでダブル出願していました。
親から見ればもう絶対に受からない学校に早起きして連れて行き、それでやっぱり落ちるという経験は必要ないように感じました。
っていうか年明けからきょうまで、生きた心地もしない気持ちで過ごしてきたので、現実的に行く学校が受かればもう終わりたい!
恐る恐る息子に聞いてみました。
「あした〇〇中学の試験あるんだけど…行く?」
すると息子はすでに塾仲間と連絡を取り合い、ほかの友達も全員合格していたことを知り、もうすっかり終了モードで「えっ行かなきゃダメ?」と。
「行かなきゃダメ?っていうか、あんたが受けるって言ったんだろうが―!」と思いましたが、もうわたしも疲れ果てていたのであしたはゆっくり眠りたい。
受かって気持ちのいい気分で受験を終えたいということで、「じゃあもうきょうの学校に進学決定しちゃおうか!」とあっさり受験終了を決定。
ここがやはり高みを目指さないわが家。塾の先生は生徒がどの学校を受験するか知っているので、あしたのチャレンジ校に応援に来させては申し訳ないと慌てて塾に電話。「もうきょうの学校で進学!」と伝えました。
こんな感じで、最後はあっさりと2月1日にて受験終了!
「やっぱり間違いでした」と言われないよう、翌日すぐに合格書類を取りに行くことにしました。
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