配偶者を愛していて仲がよくても、長い間一緒に暮らしていればやっぱり「窮屈さ」は感じるもの。
夫婦であってもそれぞれ仕事など抱える事情は違っていて、すれ違いがあればひとりの時間がほしいときもありますよね。
ある意味逃げ場がないのが夫婦生活ではありますが、お互いに少しでも息抜きができれば、居心地のいい距離を保てるとも言えます。
健全な息抜きにはどんなものがあるのか、リアルな声をご紹介します。
「いつも一緒」じゃなきゃ駄目なの?
どんなに長い時間一緒に過ごしても苦はなく、それを当たり前に幸せに感じる人も多いでしょう。
それでも、互いに家の外の現実はそれぞれ違っていて、常にお互いに集中するのは難しいですよね。
また、愛する人であっても長い時間をともに過ごすうちに変化もあり、合わない部分に悩むことも。
「配偶者と少し離れたい」と思うのは、決して「愛情がない」とイコールではなく、愛情で結ばれた関係を維持するためには、ときに隙間が必要。
「夫婦なのだから、いつも一緒にいなければ」と思い込む人がいますが、ストレスを抱えていては楽しい気持ちも生まれません。
かといって「ひとりになりたい」と正直に言うことに気が引けるのは、そのせいで配偶者と心の溝ができるのを不安に思うからです。
嫌悪や飽きにより距離ではなく、心が健やかな状態を保つための距離を配偶者に知ってもらうには、伝え方が肝心。
健全な息抜きを楽しむ夫婦は、どんなことをしているのでしょうか。
お互いを信用するから安心して息抜きができる
長い期間うまくいっている夫婦は、「信用している」と伝える姿勢があります。
「言わなくてもわかるだろう」ではなく、「伝えないと届かない」のは、どんな人間関係でも同じ。
信頼が届くことで息抜きがしたい自分に後ろめたさを持つことなく、また不安にさせることもなく、別々の時間を楽しめます。
相手の気持ちを考える、素直に自分の気持ちを届ける姿勢が、上手な息抜きには不可欠なのですね。
1.「ヒトカラに行ってくる」は趣味も兼ねたひとり時間
「カラオケで歌うのが趣味ですが、妻を付き合わせるのも申し訳ないし、たまにヒトカラに行きます。ひとりの部屋って気楽だし飲食もできるし、歌わずに考え事をするのも多いですね。妻には行くお店は伝えるし、いつでも電話してと話しています」(男性/30代/営業)
結婚前からカラオケが好きだったと話すこちらの男性は、ひとりの時間を確保するためにもヒトカラを続けているそうです。
休日に自分だけ家を出ることについて、「自分がいない間にゆっくりしてと妻に言うし、帰宅する時間は必ず守る」というのを結婚以来続けており、実際に妻と電話で話したり早めに切り上げて帰ることもあるそう。
カラオケのようにひとりになれる空間は、必ず歌う必要はなく自由に過ごせるのがメリットです。
どこにいるか、何時に帰るかなど、約束を守る姿勢も夫婦仲にヒビを入れない秘訣ですね。
2.釣りやジムなど、ひとりで楽しめる趣味は「経過を伝える」のも大事
「体を動かしたくてジムに通っています。休日にイベントがあるので夫を残して行くことがありますが、休憩の間にLINEしています。家に帰ってから会話のネタにもなるし、夫と別々でも罪悪感はないですね」(女性/30代/経理)
「釣りにハマり、休日は朝早くから磯に出かけたりします。朝から家を空けるので妻に申し訳ないと思うときもありますが、海や空の様子を写真で送ったり、釣れたらそれを撮って送ったり、経過を伝えてくれたら安心すると言ってくれますね」(男性/40代/建築)
夫婦で趣味が違うとき、休日に自分だけがそれを楽しむことに罪悪感を覚えるかもしれません。
それを解消するのが、経過を伝える姿勢で、配偶者に「忘れていないよ」と気持ちを届ける効果もあるのではと感じます。
そこまでしなくても…と思うかもしれませんが、そんな連絡をどう思うか、配偶者に確認するのも大事。
居場所を明かすと同時に「何をしているか」もわかる連絡は、帰宅後の会話も助けます。後ろめたくないからこそ、できることですね。
3.「この日にここに行ってくる」とあらかじめ予定を伝える
「仕事や家事に疲れたら、週末にドライブして穴場のカフェでお茶しています。夫には2日前までには家を空ける予定を知らせて、用事などないか確認しますね。当日にいきなり言うのは、自分でもさすがにいい気分はしないので」(女性/30代/接客業)
「日曜日にこのお店に行きたい」と思ったときなど、夫には早めに伝えると話すこちらの女性は、この習慣が長くなったことで「最近は夫の方から予定を尋ねられる」のも増えたそう。
ひとりにする夫に浮気の心配などがないのは、「途中で気が変わって帰るかもしれない」とゆるいルールにしているからで、夫も自分に黙って出かけることはないそうです。
休みの日に別々に過ごすことを監視のような気持ちで予定を決めるのではなく、あえて自由度を広げてお互いに状態を伝え合うのは、やはり信頼があってこそ。
配偶者の用事や都合を確認することも、自然にできますね。
4.「部屋にこもる」ときは時間を決める
「映画鑑賞が趣味で休日しかまとまった時間が取れないため、妻には日曜日に『午後から寝室を使いたい』と言ってこもります。同じ家なら妻も自分に気を使わず過ごしてほしいし、そのまま寝落ちするときもあるのですが必ず夕方にはリビングに戻ります。妻は読書をしているようで、ご飯を食べながら感想を言い合うのも楽しいですね」(男性/30代/配送)
「趣味はあるけれど、楽しむ時間を休みの日にしか取れない」のは男女関係なくありますよね。
家を出るのではなくひとりで部屋にこもりたいときは、「何時まで」と決める人が多かったです。
ある女性は、「趣味でハンドメイドをしていますが、17時までと夫と決めています。家事もあるし、夫を放置してまで長時間やるのは違うかなと思います」と話していました。
同じ家にいるからこそ、メリハリをつけて時間を使うのが夫婦仲を大切にするコツ。ふたりのリズムを守る楽しみ方が、趣味の継続にも欠かせないのではと感じます。
うまくいかないのは「自由にして」と迫るとき
「仕事に家事に育児にと、平日はやることがいっぱいで、休日くらいひとり時間がほしいです。でも、『自由にして』と夫に言ったら『その言い方はまるで俺が縛っているみたいだ』と、不機嫌になって。夫は夫で分担している家事もあって、自分だけ被害者みたいな言い方は駄目なんだなと反省しました」(女性/40代/金融)
ストレスで心がいっぱいになると、配偶者を気遣う余裕をなくしてしまいがちですよね。
「自由にしてほしい」のように、いまの生活がまるで苦痛のような表現を使うと、言われた側は当然いい気はしません。
我慢しているのはお互いさまの面もあり、ひとりの時間がほしいときは「こう思っているのだけど、どう?」と相手の気持ちを知ろうとする姿勢も、愛情を失わない工夫と言えます。
上記の女性は、「土曜日の午後にひとりで出かける時間がほしいのだけど、どう?」と改めて夫に伝え、お互いの都合を確認し、時間を決めて家を空けることを決めたそうです。
こんな作業や手順を「面倒くさい」と感じるのではなく、ふたりが気持ちよく同じ家で過ごすためと考えられることが、健全な息抜きには欠かせません。
自分から心を開いて配偶者の気持ちを聞いていく姿勢を、忘れたくないですね。
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