フランス人家族への挨拶に戸惑ってしまった
赤:プロポーズしてからは、うまく結婚へ進みましたか?
リ:僕たちは日本で結婚したのですが、彼女の方はフランス大使館とやりとりしてたみたいです。でも書類さえそろえば、あとは意外にも簡単に済みましたね。あとは僕の実家のある栃木に行って両親に会ってもらって、フランスの彼女の両親にスカイプで挨拶してって感じでした。
赤:結婚報告がスカイプ!現代っぽいです。
リ:彼女は家族としょっちゅう連絡を取り合っているので、僕も結婚する前からスカイプで何度か話したことがあります。陽気なご両親で、結婚報告のときは「Oh!Good!」みたいな軽いノリでした。僕が想像していた「お前に娘はやらん!」みたいなことはなかったですね。でも初めてご両親と会ったときは、ビズ(La bise)っていう挨拶に戸惑いました。
赤:ビズとは?
リ:フランス人は、友人や家族間ではお互いの頬を合わせてキスのふりをする挨拶をします。それをビズっていいます。
赤:あ、映画でよく見るやつですね!
リ:そうです。日本では互いにお辞儀をするだけの挨拶だと思うんですけどフランスでは正反対でびっくりしました。彼女のご両親に初対面のとき日本風にお辞儀をしたんですけど、そのあと彼女のご両親が「自分たちにビズもなく無視された」とショックを受けていたみたいです。彼女が日本人の挨拶はちがうからとなだめてもなかなか理解してもらえず、ちょっと困ってしまいましたね(笑)。
赤:それこそ異文化交流って感じですね。フランスに移住してからは、生活に何か変化はありましたか?
リ:いま僕はフリーランスでデザイナーの仕事をしていて、奥さんは語学力を活かして日本語教師として働いています。奥さんの会社は有給休暇がめちゃめちゃ多くて、やっぱり日本とは働き方が違うなって思いました。
赤:有給はどれくらい多いのですか?
リ:まず夏に3週間の休暇があります。それで同じ年の冬にさらに2週間の休みをもらえます。正社員として働いているのによくそんなに休みが取れるなと思いましたが、フランスでは普通のようです。
赤:本当に羨ましい…!最後にフランス人の奥さんに感謝していることはありますか?
リ:そうですね。国際結婚なんて、自分には縁のないことだと思ってました。でも好きになったら国籍なんて関係ないんですよね。僕はもともと自信がなくて誰かに背中を押されたり、お酒の勢いを借りないと勇気を出せないタイプだったのですが、いまでは少しばかりの自信を持てるようになりました。それはいつも愛情を表現してくれて、僕のことを褒めてくれる奥さんのおかげだと思っています。もしも奥さんをサイトで見つけていなかったら、いまの僕はいません。奥さんのおかげで僕の人生はとても豊かになったと思いますね。
今回は、国際交流サイトでフランス人女性と出会って結婚まで至った日本人男性のお話をお届けしました。育った国や環境が違っても、お互いに愛があれば人種も国境も関係ありません。みなさんも意中の人がいるなら、チャンスを逃さずに勇気を出してみてはいかがでしょうか。
- source:平成29年(2017)人口動態統計(確定数)の概況, 平成28年度人口動態統計特殊報告
- image by:photoAC
- ※初出:2019/03/13・TRiP EDiTOR
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。