犬のためにも早く楽にしてあげたい、という飼い主の気持ち
相談を受けた犬の飼い主さんと話をしたとき、ターメリック入りのハーブをあたえて、獣医から処方された薬を与えていなかった事実を知ったとき、私はこういいました。
「薬が嫌で、副作用が嫌だからと、友人のアドバイスを聞いたんであれば、それがあなたの正解でしょ?」って。だって、その飼い主さん、「薬を飲ませるべきですかね」って私に聞くんですもん。
「私が薬を飲ませなさい!っていえば、薬を与えるの?」って、逆に質問しました。すると、飼い主は、「ますみさんの方が犬の経験多いから」って…。
「私なら」という前置きをしたうえで、こういいました。
「私なら、獣医さんにもらった薬は飲ませます。そこで当てはまる副作用が出たとしたら、獣医に相談します」(獣医の診断に疑問をもち、処方された薬をやめたこともあります)
もう一度いいますが、この犬は老犬です。血液の検査では、ガンを発見することは難しいというのは、私の経験から得たものです。レントゲンでも難しい。CTやウルトラサウンドといったもっと細かい検査が必要なのは、事実です。
そのことは私が飼い主にアドバイスをしまして、ちゃんとした設備のある獣医に連れて行くようにいいました。するとこの犬、脾臓と肝臓にガンが広がっていて、腎臓も冒されていました。
余命いくばくもない状態です。その飼い主さん、ガンであるとわかった犬に対してとった行動は、スピリチュアルセラピーでした。
飼い主さんは、ご夫婦で私に別々でLINEを送ってくるんです。旦那さんは、「犬のためにも早く楽にしてあげたい」というライン、奥さんは「ガンを治したい」というLINEです。
もう、愛犬に病気で苦しんでほしくない
私は獣医ではありませんので、「ガンを治す」ことに関してはなんのアドバイスもできないのは当然です。
そして私は「QOL(クオリティー・オブ・ライフ)」を、犬に対しては日常的に考えて過ごしている人間ですから、旦那さん寄りの考えです。
でも奥さんは、「最後に息絶えるまで看取るのが責任」という考え。そこで、スピリチュアルや水晶や、なんやかんやと…。
そしてよくわからないものを飲ませて、スピリチュアルヒーリングでいわれたアドバイス「この子は生きたがってます!」という言葉を鵜のみにして、「赤くて四角いものを、この子は求めてます」とか?
結果、2週間前に旦那の一存で、獣医につれていき、安楽死をさせたそうです。
それからというもの、私にはまだLINEが届きます。旦那さんからは報告を受けたので、「お疲れさまでした」と私は返しました。
ところが奥さんは、「旦那が取った行動が許せない」と…。そして「息子にどう説明したらいいかわからない」っていうんです。