タイミングがズレると苦しくなる
お互いが同時にこの「自立」という心の状態に入っていけば、「うちの夫婦は、それぞれが好きなことやってる」と笑いながらいえるような関係になるのですが、タイミングがズレてしまうと少し苦しい関係になってしまうことも。
というのも、まだ「自立」に映っていない方にとっては、相手の態度に傷ついてしまったり、悲観したり、不安や寂しさが大きくなって、とても苦しくなってくるのです。
また、相手の愛が冷めたように感じたら、いままで以上に「もっともっと」と求めてしまったり、反対に「もういい」と怒りモードに入ってしまうこともあります。
すると先に「自立」した方は、束縛されるように感じたり、うっとおしく思えたり、また心の中で罪悪感として感じると、ますます相手から離れたくなっていくのです。
実際、この時期に離婚の問題や夫婦の危機を経験される方も少なくないと思います。でも実は、この「依存」から「自立」へ移行するタイミングや、また「依存」自体の感じ方は私たちの子ども時代(1)(2)(3)の経験がすごく影響しているのです。
子ども時代の経験
たとえば、(1)の時代に両親の仲が悪かったり、頻繁に喧嘩があったり、身近な大人が何かしら大きな不安を抱えていたりすると、いまとは比べものにならないほどの大きな恐怖を経験します。
誰かに世話をしてもらわないと、たちまち死に直面する時代だから。すると、大人になってからも、必要以上に周りの人の顔色を見たり、大切な人の機嫌や気分に影響を受けてしまうようになることがあるのです。
また(2)の時代、「愛されたい」「甘えたい」という気持ちが、まだ心のなかにいっぱいあるとき。甘えられる人が近くにいなかったり、本当に愛されたいと思っている人の愛が得られなかったと感じると、心のどこかに「満たされない思い」を抱えたまま大人になります。
そして、この「満たされない思い」は恋愛やパートナーに向かうように。そして、パートナーこそが、自分人生にずっとなかったものを唯一埋めてくれる存在になるのです。
すると「自立」に移行しにくかったり、相手の「自立」を受け入れらなかったり、相手や家庭に強く執着してしまう心理になってしまうこともあります。
逆に、もともと「依存を受け入れたくない」という心理を強く持っている方もいます。すると、親密感を感じること自体が苦手だったり、「依存」の時代を避けるように「自立」に入ってしまうのです。