気軽さよりも、会いたい人に会いたい
ビフォアコロナでのマッチングアプリは、「時間をかけずに、オンラインでたくさんの人に出会える」という点がメリットであると捉えられてきました。
しかし、新型コロナの流行により、外出自粛が求められ、「とりあえず会ってみる」ということが物理的に難しくなりました。感染リスクを負ってまで、「マッチングした相手に会いにいってみようかな」という心情にはならなかった人が多いのでしょう。
また「数多くの人に直接会っても、お金や時間がもったいない」と回答した人も多く、効率を求めてきたマッチングアプリユーザーが、「たくさんの人と効率的に会う」のではなく「いい人を効率よく探す」手段として利用し始めていることがわかります。
恋愛はリモート化継続の傾向
「アフターコロナでもオンラインデート(ビデオ通話)機能を利用したいか」について調査したところ、男性の「71%」、女性の「53%」が「利用したい」「相手が望むなら利用したい」と回答しています。
また「利用したい」と回答した人は、男女ともに約3割となる「28%」でした。その理由としては、「まだ外出するのが怖いから」「時間やお金のコストをかけずに、相手を知ることができるから」などが挙げられています。女性の「利用したくない」という理由で多くみられたのは、「いきなり部屋をみられたくないから」「電話が苦手だから」という意見でした。
「オンラインデート」という概念は、外出自粛が求められるなかで、マッチングアプリ各社が「ビデオデート」や「オンラインデート」と銘を打ち、マッチングアプリでマッチングしたけれど、デートにいけない男女に訴求したときにできた言葉だといいます。
ビフォアコロナでも、直接会う前に電話でコミュニケーションをとる男女はいましたが、少数でした。しかし今回、2割の男女が、アフターコロナにおいても「オンラインデートをしたい」と回答したことは、恋愛の文化が大きく変わった証拠でしょう。
オンラインデートがフィルターに
マッチングアプリ利用者に話を聞くとオンラインデートはデートそのものの役割をしているというよりは、「本当に会ってもいい人なのか」を見極める「フィルター」として位置づけられているようです。「会いたいと思う人を探して出会いの質を重視する」から「オンラインデートでよりリアルに会う人の質を見極めている」という動きになってきているようですね。
また、男女の差では、女性は半数が「オンラインデートよりもリアルなデートをしたい」、男性は「相手が望むならしたい」という結果が出ているのも特徴です。
恋愛の進め方は、女性の意向が大きく影響してくるため、「オンラインデートしたい」という層は一定数残りつつも、新型コロナが終息しきった際は、男性は女性の意向を汲んで、「オンラインデートではなくリアルなデートへ」と変わっていく可能性も考えられます。