2020年10月20日。写真週刊誌『FLASH』(光文社)が、サッカーJ1の「ベガルタ仙台」に所属していたMF・道渕諒平(みちぶち・りょうへい)選手(26)が交際相手の女性タレントに暴力をふるっていたという内容の記事を掲載し、ネット上が騒然となりました。これを受け、同チームは10月20日付けで契約解除することを公式サイトにて発表しています。
同紙によると、女性タレントはあざだらけで、胸ぐらを掴まれ投げ飛ばされたり、胸の上に全体重を乗せて正座し首を絞められたり、山のなかに置き去りにされたり、車に引きずり込まれたり…日常的に暴力を受けていたといいます。
こうしたドメスティック・バイオレンス(以下、DV)被害に実際自分が遭ってしまったとき、大切な友人が悩んでいたとき、どうすればいいでしょうか。きょうは、DVの手口と具体例、相談窓口についてご紹介しましょう。
DVの手口6パターン
DV問題に詳しい「あおば法律事務所」の橋本智子弁護士は、『週刊FLASH』にDVの手口についてコメントを寄せていました。
橋本弁護士によると、DVの手口は大きく、以下の6パターンにわけられるそうです。
(1)殴る蹴るなどの『身体的暴力』。
(2)言葉で痛めつける『精神的暴力』。
(3)無視やいじめなどの『心理的暴力』。
(4)外出制限などで人間関係を絶たせる『社会的暴力』。
(5)経済的に圧迫する『経済的暴力』。
(6)性交渉を強いるなどの『性的暴力』引用:Smart FLASH
「暴力」と聞くと、「殴る」「蹴る」などをイメージするかたが多いかもしれません。しかし、どなる、人前でバカにする、携帯を監視する、仕事をやめさせる、交友関係に口を出すなど、精神的にダメージを与える「言動」もれっきとした「暴力」にあたるのです。
また暴力がなくなってからも、そのときの恐怖が消えないケースもあります。今回被害に遭った女性タレントも、別れたいまもトラウマに悩まされ、心療内科に通っていると報じられています。身体を傷つけるだけでなく、心も傷つけ、命の危険を犯すDVは決して許してはいけません。
結婚経験がある女性の7人に1人が被害者?

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内閣府の男女共同参画局が平成30年3月に公表した「男女間における暴力に関する調査報告書」によると、結婚経験がある女性のうちパートナーから「何度も暴力を受けた」と回答しているかたは13.8%にもおよびました。また、平成30年内に検挙した配偶者間の殺人、傷害、暴行は7,667件で、そのうちの90.8%が女性が被害者だったということも警察庁の統計からわかっています。
もちろん、男性が被害者になることもじゅうぶんにあり得ること。「どうせ信じてもらえない」「恥ずかしい」と抱え込まないで、後述の相談窓口などに相談してくださいね。