菅田将暉さんと有村架純さんのダブル主演映画『花束みたいな恋をした』。公開日から5週連続1位、累計観客動員数160万人を突破するなど、その人気の高さが伺えます。
そんな『花束みたいな恋をした』。実は、「カップルで観たら別れる」という噂があることをご存知ですか?Twitter上では、そんな噂を気にしてか「観たいけど彼氏と観に行くか迷う」「彼女と観に行って別れないか不安」と迷う声も少なくありません。
本当に別れを選択するカップルが多いのか…『花束みたいな恋をした』を鑑賞した10代〜50代の男女30人にアンケートを実施。アンケートでは、誰と観に行ったのか、恋人と鑑賞した人は関係性がどう変わったかなどもお聞きしてきました。これから観る予定があるかた、迷っているかたはぜひ参考にしてみてくださいね(※本記事は作品のネタバレを含みます)。
『花束みたいな恋をした』あらすじ
東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った山音麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)。好きな音楽や映画が嘘みたいに一緒で、あっという間に恋に落ちた麦と絹は、大学を卒業してフリーターをしながら同棲を始める。
近所にお気に入りのパン屋を見つけて、拾った猫に二人で名前をつけて、渋谷パルコが閉店しても、スマスマが最終回を迎えても、日々の現状維持を目標に二人は就職活動を続けるが…。
まばゆいほどの煌めきと、胸を締め付ける切なさに包まれた〈恋する月日のすべて〉を、唯一無二の言葉で紡ぐ忘れられない5年間。最高峰のスタッフとキャストが贈る、不滅のラブストーリー誕生!──これはきっと、私たちの物語。
「カップルで観たら別れる」といわれる理由は?
『花束みたいな恋をした』は、なぜ恋人と観たら別れるといわれるようになったのでしょうか。
SNSを見てみると、「一緒に観に行った次の日に別れたカップルが身のまわりに6組いる」「映画を観た友達カップルが別れた」「2年続いていたカップルが別れたのでマジで怖い映画」などの投稿も…。数はそこまで多くはないのですが、これらのクチコミから噂になった可能性もあるでしょう。
筆者が思うに、ほかにも理由があると思います。それは、恋愛映画でありながらもラブラブなハッピーエンドものではない点。麦と絹、ふたりの行く末は劇場で確かめてほしいのですが、実はずっとラブラブというわけではありません。
この映画では、似た価値観を持っていたと思っていたはずのふたりが、年齢を重ねるごとに現実に直面し、どんどんすれ違っていく様が描かれているので「このふたりですらすれ違うのか…」と打ちのめされてしまう人が多いのだと思います(よく考えるとインフラである「ガスタンク」に魅力を感じる麦と時空を超えて美しさを放つ「ミイラ」に惹かれる絹や、ファミレスのおねえさんの目を気にしてミイラ展のパンフレットをサッと隠したり流されやすい麦と譲れない理想を持っている絹から、もともとの価値観が違ったんだなぁと気づくのですが…)。
そして、あまりにも現実的な点。夢を追いかけていた麦が社会の荒波に飲み込まれていく姿や近所のパン屋の閉店、身近な人との別れ、大切な人とのすれ違い…これらの「あるある」が、よい意味でドラマチックに描かれていないので、観る人はどうしても過去や現在の自分に重ねてしまいます。現実的すぎる描写にあおられて、ハッピーエンドものではない主人公たちを自分たちに重ねてしまい、噂が広がったのだと思いました。
実際、みんな誰と観ているの?
では、『花束みたいな恋をした』を観に行った人は誰と観に行ったのでしょうか。「ひとり」「恋人」「友人」「家族」で10代〜50代の男女30人にアンケートをとったところ、「ひとり」は16人、「恋人」は5人、「友人」は3人、「家族」は6人でした。
今回のアンケートでは、「ひとり」と回答した人がいちばん多い結果に。意外だったのは、「ひとり」と回答した16人のうち9人は恋人や配偶者がいた点。恋愛映画なので、カップルで行く人が多いのかなと思っていたのですが、別れるというクチコミを聞いてひとりで観に行ったという人もいそうです。
また、友人と観に行ったという人のなかには「恋人と観るとよくないという噂を聞いて、友人と観に行った」「私は別れたいという気持ちにならない自信があったけど、彼氏がどう感じるかわからなかったので友人を誘った」という意見もありました。