もっとも重要なのは「人間関係」
特に子育てをしていると、いままでは考えられなかったような状況が起こり、仕事でもいろいろな人の協力を仰ぐことになります。子どもが熱を出したり、授業参観があったり…毎日が緊急事態です。
そんなときに、それでも仕事を依頼してもらえるのは、その人にしかできない仕事であることも大事ですが、自らの子育て事情などに理解を示してくれるだけの人間関係を築いているかも大事です。
「チームのなかで、この人がいなくなることはいろいろとリスク」と思ってもらえるような関係が築けていたら、職場環境としてもよいものになると思います。そしてそういう関係性を得られるのも、いままで積み重ねてきたチームや会社への貢献の賜物です。独身時代に一生懸命に働いたことは決して無駄ではないのです。
また、人間関係というのは長い時間をかけて形成され、そして簡単になくなるものではありません。出産後、少し育児に専念をしたあとに復職したいと思った場合に、再度連絡を取って仕事をもらえるような関係があるという意味でも独身時代の仕事への向き合い方が大事になります。
ちなみに私は専門性のある仕事をしていたので、第2子出産後にキャリアアップという形で転職することができました。証券会社の証券アナリストとして朝から夜まで働き、海外出張もこなすのには限界を感じていたので、同じ証券アナリストとしてより国内に居られる投資運用会社での仕事に就きました。
一方で、人間関係という意味では、第1子を出産後、職場の理解を得られず(というよりいま振り返ると理解を得ようとする努力をしなかった)、第2子出産直後には転職をして新しい職場で復職したので、人間関係がゼロのなかで「子どもがいるので先に帰ります」などというのはなかなかいいにくいこともありました。
そういう経緯なので、専門性一本で乗り切っている時期が長く苦労しました。
産前産後の人間関係はうまくできませんでしたが、いま独立して、いろいろなところからお声がけをいただいたり、自らお願いをしたりもするのですが、そのほとんどが昔の同僚や先輩、後輩だったりします。専門性で乗り切る限界を超えて、人に助けを求められるようになったのも成長です。
ですから専門性も人間関係もどちらも大事ですが、自戒も込めて、私は人間関係というのは最終的に一番大事だと思っています。
最後に、私自身も20代後半で出産して30代前半は子育てと仕事のバランスに苦しみましたし、すべてのワーキングマザーは多かれ少なかれ仕事と生活のバランスには苦労しているはずです。
それでも子育てを理由に辞めてしまうより、細々とでも仕事を続けていくのがよいと思います。なぜなら子どもは、必ず独り立ちするから。独身のときから将来を考えて仕事を選んだりしている質問者のかたは、必ず結婚も子育ても仕事もハッピーにやっていけると思いますよ!
- image by:Unsplash
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。