中学3年生…15歳のときに、私はクラスメイトの鉄平と付き合い始めた。幸せな日常が待っていると思ったけれど、若いころから彼の周りにはいつも知らない女の影があった。これはそんな彼との、6年間の記憶だ。
彼の猛アタックで人生逆転、したはずなのに

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鉄平に出会うまで、私の中学生活はそれほど楽しくなかった。なかなかクラスになじめず、決まったグループにも所属していない。女友達はいたけれど休みの日まで遊ぶほどじゃない。
中学3年生の夏、鉄平は私のクラスに転校してきた。坊主頭で背が高くて、運動神経は抜群。鉄平はあっという間にクラスの人気者になった。それと同時に、私も突然友達が増えた。
その理由は、私が鉄平と付き合うことになったからだ。転校してきた次の週、鉄平は突然私に告白してきた。「一目ぼれしました、俺と付き合ってください!」と。
まだあなたのことよく知らないからと戸惑う私に、「付き合ってから知ってくれたらいいじゃないですか」と、なかなか強引に迫ってきたのだ。それからしばらく猛アタックが続き、私は彼と付き合うことにした。
それから私の学校生活は、ガラリと変わった。友達が増え、休みの日も遊びに誘われるようになった。いままで話したことがなかった子とも連絡先を交換した。高校に進んでからも、私のきらきらした日常はまだ終わらなかった。
「里奈~、きょうも彼氏と登校?ラブラブでうらやましい!」
私と鉄平は同じ高校に進んだ。高校に進んでからの鉄平は髪も伸ばし、かなり派手な風貌に変化した。私もそんな鉄平の彼女として恥ずかしくないようにメイクをはじめ、いわゆる「ギャル」になっていった。
学年の間でも「ラブラブカップル」と言われるほど、私たちはいつも一緒にいた。だから私もたくさんの人に注目されるようになった。もちろん、男子からの注目度もかなり高かったんだと思う。
「里奈ちゃん、よかったら俺とLINE交換しない?今度みんなで遊ぼーって話しててさ」
「うん!いいよ、私もみんなと遊びたい!」
「ほんと?じゃあ個人的にデートに誘うのはあり?」
「彼氏いるから無理だよ、なに言ってんの~」
「だよね、いやー里奈ちゃんかわいいからマジ狙ってたんだけど、残念」
人生で初めてかもしれない。こんな風に男子に声をかけられて、冗談でもかわいいと言われることが増えた。悪い気はしない、むしろうれしかったから、私はそれを鉄平に話した。
「あのさ、ほかの男子に声かけられてそんな喜ぶならそいつと付き合えば?」
「え、そういう意味じゃないよ…」
「つか男子と連絡先交換とかマジで言ってる?お前、それ浮気だからな。別れたくないならいますぐブロックしろよ」
こうして、私はクラスメイトたちとの連絡手段を減らされていったのだ。