選択的夫婦別姓に反対派の意見は?
2021年6月、最高裁判所法廷は夫婦別姓を認めないことに対し、憲法24条の「婚姻の自由」には反しないと判断しました。Business Insider Japanの実施した都議選アンケートによると、夫婦別姓に賛成の回答がなかったのは対象10党のうち自由民主党のみであることがわかりました。
ではここまで賛成意見が多いなかで、制度が適用されないのでしょうか。
家族の絆が崩れてしまうという意見も
夫婦が別姓になることで、家族の一体感が損なわれるとの意見があげられます。ですが、姓が異なるだけで絆が失われる根拠はどこにあるのでしょうか。事実、別姓を好んで事実婚を選択している夫婦がいたり、海外では選択的夫婦別姓が主流となっています。
また「子どもがどちらかの姓を選ぶことになるのでは?」といった意見もみられますが、現時点の同姓でもすでに夫婦どちらかの姓を選んでいるわけです。別姓になっても同姓の家族と変わらないのでは…と思います。
日本の伝統が崩される?
SNSでの意見を見てみると、夫婦別姓にすることで日本がいままでに築いてきた伝統がなくなってしまうという人も多くいます。しかしいま一度考えてみると、先述したように日本の歴史は別姓から始まっており、夫婦同姓は100年くらいの歴史しかないのです。
また、人々の価値観や考え方は時間とともに変化していくもの。そういった変化に合わせて法律や制度をアップデートしていくことが大切です。
夫婦選択別姓は同姓あるいは別姓を「禁止」しているわけではなく、選択肢を広げる制度です。ひとりでも多くの人が過ごしやすい社会を実現するために、一度立ち止まって考えることが大事です。
事実婚ではデメリットも…
「選択的夫婦別姓が認められないのなら…」と、事実婚を選ぶ夫婦も多くいますが、法律婚と比べるとデメリットが生じます。
事実婚は、婚姻届などの手続きを踏まずに結婚しているため、法律的には夫婦として認められません。関係性を証明するのが困難であることから、遺産相続や負担する税金が多くなることなど、懸念される点が多く存在します。
さらに選択的夫婦別姓の反対派のなかには、制度について一部誤解している人もいるようです。よくある誤解として、制度が制定されることにより「すべての夫婦が別姓にする必要がある」という認識です。ですが文字通り、あくまで選択することができる制度のことを指します。
名前はその人の大事なアイデンティティのひとつ。以前より、女性が活躍する社会を実現するための動きが増えてきたからこそ、性別問わず自分の好きな姓を選択でき、誰もが自分のキャリアに支障なく働ける世の中を目指すべきではないでしょうか。
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