こんにちは。韓国在住歴3年、日本語教師でライターのHAZUKIです。Webメディア「by them」で、韓国の今を切り取り、生の情報をお届けしています。
日本では運動会のシーズンがちょうど終わったころでしょうか。今年の運動会も昨年同様、新型コロナの影響で父兄の参加が制限されたり、中止や短縮になったりした学校も多いと聞きました。オンラインで中継が行われた学校もあったようで、これも新しい生活様式のひとつなのかもしれませんね。
日本で育ち、現在は韓国在住である筆者が気になるのが、韓国の小学校の運動会事情。今回は「日韓の小学校の運動会」を比べてみます。韓国人に話を聞いたり調べてみたところ、日本と韓国の運動会には、2つの大きな違いがあることがわかりました。
日本と韓国の「運動会」の2つの違い
1.「やる気」が違う!
まず日韓の運動会の違いとして挙げられるのは「先生や生徒たちのやる気」の差です。
日本では仲間意識を育て、お互い達成感を味わうために、運動会当日のかなり前から準備をしますよね。もう何年も前のことですが、筆者の通っていた小学校も組体操の準備を1カ月くらいかけてやっていました。
- ※いまでは日本でも組体操に関連した事故やケガなどが問題となり、組体操をしない学校も増えています。
ダンスも生徒や先生が作ったオリジナルの振りつけをみんなで覚えて、運動会当日は最高のパフォーマンスをするためにみんな一生懸命練習していました。
一方韓国では、学校により差はあるでしょうが、基本的に運動会の1週間前ぐらいに練習を始めるところが多いそうです。
本番まで1週間ですからオリジナルのダンスを覚える時間はありません。運動会当日も振りつけを覚えた子をお手本に、みんなで見ながら踊るようです。
韓国の運動会は、日本に比べて「仲間意識」や「達成感」にあまり重きを置いていないという印象です。
しかし筆者の在韓仲間は、息子さんの運動会の生徒たちの出しものは素晴らしかったと言っていました。たまに熱血教師もいて運動会を盛り上げてくれるようですが、これは韓国ではレアケースです。
2.「昼食」が違う!
運動会の楽しみのひとつに、おいしい手作り弁当がありますよね。筆者は小学生のとき、母が作ってくれるお弁当が運動会の一番の楽しみでした。家族でお弁当を囲みながらワイワイ過ごした時間をいまでも鮮明に覚えています。
しかし韓国の運動会のお昼ごはんは手作りではなく、出前を頼む家庭も多いようです。
以前、「韓国はペダル(出前)文化が進んでいる」ということを記事でご紹介しましたが、韓国の運動会の会場には、スマホを片手に出前を届けるおじさんがあちこちにいるんだとか。
「どこにいますか?」「正門の前です!」「眼鏡をかけてますか?」「はい、そうです」のような会話がいたるところで繰り広げられているようです。普段であれば、場所を指定したらスムーズに出前を届けてもらえるのですが、運動会では出前をする人が多すぎるので、このようにややこしくなってしまうとのこと。
そんな出前風景も韓国の運動会の風物詩のひとつだったのかもしれませんが、韓国ではコロナ禍以前から運動会の短縮化が進んでおり、午前だけ、午後だけで運動会を終わらせる学校も増えているようで、運動会での出前も減っているそうです。