以前とは違う“上下のある”関係
復縁の返事は保留となりましたが、それ以降元彼とは毎日LINEでやり取りができ、彼女は朝の挨拶から夜にいたわりの言葉をかけるのも忘れず、こまめにメッセージを送っていたといいます。
復縁をお願いしたとき、元彼から「仲のいい女性はいるのだけど…」と聞いており、いきなりライバルとまではいかないけれど、別の女性がいる事実が彼女に「負けたくない」と勢いを与えていました。
それから数週間、たまに会って食事をし、電話で話す時間もあり、元彼の関心は自分に向いていると感じる瞬間もあったそうです。
そんななか、彼女がふと違和感を覚えたのは元彼のこんな言葉でした。
「君が会いたいのなら時間を作るけど」
付き合っているときは、デートの約束や彼女が会いたいとメッセージを送ったときでも、こんな返し方をされることはありませんでした。
「用事があるから、○○時以降なら会えるよ」「○○まで来てくれるなら、行けるけど…」
“会いたいのはそちらであって、俺はそれに合わせてあげている”がほんのりと透けて見えるこれらの言葉に、彼女は「以前とは違う立場なのだ」と気がつきます。
復縁したいのはあくまで私、元彼はそれを左右できる側。だからこんな「上から目線」と感じられる言葉でも、彼は平気で送れる。
ちらりと浮かぶ屈辱感を、そのときの彼女は「仕方がない」と受け入れたそうです。
モヤモヤを感じながらでも、やり直したい気持ちが強かった彼女は「お願いします」と送り、会えば楽しく過ごせることに期待をかけ、“こちらが下手に出るつながり”を続けました。
その甲斐あってか、再会した1カ月後、元彼のほうから「また付き合ってみる?」という言葉が出ました。
「彼女として大事にされない自分」ばかり実感する
「そのメッセージを読んだときはね、もう本当にうれしくて」と話す彼女は、「これで以前と同じようなお付き合いができる」と思ったそうです。
しかし現実はそうではなく、ふたたび交際がはじまってからも、彼からの「上から目線発言」は消えませんでした。
デートの約束をするときは「俺はこの日しか空いてないから」と彼女の都合は無視、会っている最中でも電話がかかってくれば彼女を置き去りにして長電話、食事をすれば会計はすべて彼女持ちと、復縁する前と変わらない“強気さ”が、彼氏には見えました。
彼女が何よりおかしいと感じたのは、「彼氏の家でお泊りと決めていたはずなのに、夜遅い時間になっていきなり『同僚と会わないといけなくなった』と帰宅を促される」ことで、それでも別れたくなかった彼女は責めずに家を出たそうです。
復縁が叶ったはずなのに、ちっとも幸せじゃないお付き合い。
「どうしてだろう」と、彼女は友人に相談を持ちかけます。
また付き合おうかと言ったのは彼、それなら私のことは好きなはず。でもそれを感じることができない。悩む彼女は彼の言動についてありのままを友人に話しますが、返ってきたのは想像していなかった言葉でした。
「ねえ、それってほかに女がいるんじゃない?」