改定後は必ず社内浸透を
さて。LGBTQ+当事者も利用ができるように制度を見直し、改定をしました。改定後は必ず社内へ通達し、新しい制度の内容を浸透させましょう。通達は必ず詳細までしっかりと明記することが大切です。
当事者がまだ社内で自らのセクシュアリティをオープンにしていない場合、制度について総務などに質問すること自体がセクシュアリティをカムアウトすることになってしまいます。
なので質問しなくてもよいように詳細に書くことは、企業から見えない当事者社員への配慮になります。
可能であれば質問が出そうな内容はFAQとして補足、申請先の担当窓口や担当者を明確に記載すると親切です。制度の改訂のタイミングで再度LGBTQ+に関する研修をセットで行うのもオススメです。
当事者からの申請があった場合
改定後の制度に当事者から申請があった場合、制度を受けることを社内でどこまでオープンにするのか、それとも全くオープンにはしないのかなど申請時に必ず確認をとりましょう。
これは第三者へ担当者が当事者本人に制度を受けていると話すことが、無断でカムアウトをする「アウティング」という行為の防止になります。
「アウティング」の定義は悪意の有無は関係なく、たとえば「知っておいたほうが本人も働きやすいだろう」と当事者の上司へ話してしまうことも本人の同意がない場合はアウティングにあたります。
社内でセクシュアリティをオープンにしていない当事者の多くはこのアウティングをされることを恐れて言えない、という場合があるので配慮が必要です。
制度の利用に申請書などを用意している場合は、記入欄にアウティング防止として項目を加えると後々確認することができます。もちろん申請書の保管は厳重に。
長く会社に勤めたいと思っていればいるほど、カムアウトをすることは勇気が必要です。カムアウトをしている人でも一部の同僚や上司など、今後の人間関係を考慮して限られた範囲を限定し、少しずつ自分のペースでカムアウトしている最中という場合もあるので慎重に確認しましょう。
ここをなあなあにしてしまうと、思わぬアウティングとなり、せっかく長く勤めたいと思ってくれている社員を失うきっかけになりかねません。