「婚活」「成婚」をメインテーマとし、新たなライフプランを初動からサポートしている、婚活FPの山本です。
今回は30代後半の独身女性から「無理に結婚しても幸せとは思えない。でも未婚のままで人生大丈夫?」と結婚しない人生についてご相談をいただきました。
当人は年収400万円の会社員。交際経験はあるが恋愛に積極的になれず、いまは結婚自体に消極的だそうです。
一方で、お金についての不安はあるものの、お金のための結婚も考えにくいとのこと。ただ、結婚しない関係なら一考したい様子。
未婚のまま生きる方法。簡単ではないものの不可能でもありませんから、まずは冷静に結婚しない人生を知りましょう。今回は、結婚しない人生について大切なポイントをお伝えします。
1カ月にいくら貯金すればいいの?
さて、まずは基本ですが「ただ働くだけでは老後対策に足りない」これだけは強く意識しておきましょう。
未婚における一番の課題は老後対策です。2019年6月3日に金融庁が公表した、金融審議会による市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』(PDF)で、老後に生活してくうえで2000万円が足りないという“老後資金2000万円問題”が話題になりました。
しかし、詳細は省略しますが、私は実際には4000万円程度が必要になると考えています。これは、既婚者でも約8割が未達なほど極めて達成が難しいお金。
ちなみに二人以上世帯の貯蓄現在高の平均値は1791万円で、2000万円さえありません(参考:総務省統計局 2021年5月18日公表「家計調査報告<貯蓄・負債編>2020年<令和2年>平均結果<二人以上の世帯>」)。
貯金不足の場合、老後も働こうとしがちですが、老後は働こうにも年収激減のうえ70歳程度が限界。せいぜい70歳までの貯金の維持しかできず、70歳時点でも3000万円程度はほしいところです。
定年までの約20年で3000万円貯めるとすれば、1年150万円、月12万円ほど必要になります。現状、この程度の貯金ができていますか?できていないなら、何か対策が必要となります。
なお、もっとも一般的な対策は「資産運用」であり、仮に4%運用を続けるなら、およそ年100万円月8万円少々で20年後に3000万円になる計算です。ほかにもできることは色々とありますが、とにかく優先的に金銭面の対策を考えましょう。
結婚しない。いまからできる対策は?
さて、並行的に大切なことなのですが「何らかの自営業を目指すのもひとつの手」。まずは、そのための副業という手もあります。
先の対策例は定年後までも働ける前提です。最近では40代でリストラされる可能性も低くなく、60歳・65歳以後、働けるかも未知数といえます。そして40歳以後、満足な転職は厳しいのが基本。
またお金以外に、老後の孤独対策もひとつの課題です。勤めているいまはピンとこないかもしれませんが、近所になかよしな友達や集まりなどがなければ、孤独死はもとより心身が病みやすくなります。会話のない人的な閉鎖環境は、想像以上に過酷です。
さらに、何をして過ごすか…も意外と難しく、毎日テレビや動画を見るなどだけではいつしか充実とは程遠い日常になる可能性も…。
こういったさまざまな問題への対策のひとつが自営です。
自営なら定年がないので、相応の努力がいる一方、定年後も長く稼ぎ続けることができますし、先ほどの運用期間を長引かせることにも繋がります。仕事をしているうちは、孤独にもなりにくく、何をするか悩む必要もなくなるはずです。
場合によっては、誰か人を雇うこともできますし、それこそ誰かとパートナーになることもできます。仕事を通して、誰かと親密になれるかもしれません。
最近では、勤めながら週末起業する方法もあります。副業もあるので、いくらか独立も容易な時代です。どのみち、ただ働くだけでは足りないのですから、ぜひこれも対策のひとつとして考えてみましょう。
無理に結婚したくないが、しないのも不安。結婚をしないと決めたかたが最初に陥りやすい不安ですね。結婚はするもしないも人生を左右しますが、しない人生も十分アリといえます。
ひとまず、ただ働くだけでは足りない点は注意を。結婚に代わる別の老後対策が必要です。もっとも、一般的な対策は資産運用。まずは、この対策方法を考えてみましょう。
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