「厄介な身内」のせいで警戒され…
続いて、35歳女性の話。
「夫の不倫が発覚し、離婚してほしいと言っても一向に聞いてくれないので子どもを連れて別居しました。
不倫の証拠に夫と相手女性のLINEでのやり取りがあり、私に残業と嘘をついてホテルに行っていたこと、週末も休日出勤と言いながら女性とホテルで楽しんでいたことがはっきりと書かれています。
実家には両親と一緒に3つ年上の独身の姉が住んでおり、LINEでやり取りしていた姉は『慰謝料を請求するべき』『裁判を起こしても勝てる』と息巻いていました。
別居してからも夫はずっと私からのLINEや電話を無視しており、話し合いにならないので調停を起こしました。
一回目の日程が決まり、当日は『一緒に行ってあげる』と言う姉と家庭裁判所に向かったのですが、ここで問題を起こしたのが姉。
自分も調停室に入れると思っていたらしく、受付で『付き添いのかたは待機の部屋でお待ちください』と言われて、『何を言われるかわからないのに、ひとりで話すなんて無理でしょう。妹は気が弱いんですよ。私も入ります』と返し、『それはできません』と再度口にする職員の女性に向かって『はあ!?誰が話しても同じでしょ!』と大声を上げ、隣にいる私は恥ずかしくて冷や汗をかきました。
『もうやめて』と言っても、姉は『アンタのためなんだから』と聞いてくれず、机にいた男性の職員たちも集まってきて、雰囲気は最悪でしたね…。
『調停室に入れるのはご本人と代理人の弁護士だけと決まっていますので』『聞いてもらえないなら調停は開けません』と職員の方々に言われ、それでも姉は『そんな決まり聞いてないし』『身内が入ってまずいことでもあるのか』と敵意むき出しで対峙しており、本当に恥ずかしかったです。
どうにもならないと思い、私が『きょうはもういいです。本当にすみませんでした』と頭を下げて部屋を出ると、姉も『待ちなさいよ』とついてきました。非常識な態度の姉に本当に腹が立ち、『いい加減にして!調停が失敗したらアンタのせいだからね』と泣きながら言うと、やっと謝りましたね…。
それからまた受付に戻り、改めて調停室には私だけが入ること、姉は待機することを確認し、調停を開くことが決まりました。姉はまだブツブツ言っていましたが、規則を理解していない自分が悪いとしか思いません。
こんな騒動があったせいでその後の調停ではうまく気持ちを言えず、心なしか調停委員のお二人も私を警戒するような態度で、それにもショックを受けました。
証拠がある以上夫は言い逃れできない、慰謝料も払わせて当然でも、こちら側がこんな問題を起こしたら非常識な一家と思われますよね。厄介な身内のせいで最初から気が滅入る調停になり、連れていったことを後悔しています。
話し合いはまだ続いていますが、この日以降姉には調停の日は教えずひとりで行っています」(女性/35歳/介護士)
調停室に入れるのは、当事者と代理人を依頼された弁護士だけです。身内を心配する気持ちはわかりますが、ルールを無視する“ゴリ押し”は印象を下げるだけ。
当事者のきょうだいや親が「自分が話す」と調停室に入りたがりトラブルとなる話は多く、そんな騒動は調停の進行を妨げるため警戒されるのは当然です。
親族の人が付き添ってくれるときは、調停のルールをあらかじめしっかりと説明しておくことが重要。待機室でも、付き添いの人が大声で電話していたり音楽を鳴らしたりで注意されるケースがあり、常識ある態度を忘れたくないですね。
調停では、自分だけでなく親族の振る舞いにも気をつけることが肝心です。
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