読者からの質問2:子どもを留学させてその国で働く選択肢を持たせるというのはどう思いますか?
留学は、世界を広げられるという意味でよいと思います。ただ、海外での就職を前提にするのは年々難しい状況になってきていると思います。
というのも、ここ10年くらいで自国主義の国が増えてきているからです。
たとえば、イギリスがEU離脱を選択した一つの理由は、EU加盟国内で人材が自由に行き来できたため、英国にEU諸国の人材が多く集まり、イギリス国民が自国に置いて職を失う事態に不満が募ったためです。つまり、EU離脱をしたいまのイギリスでは、気軽に外国人が働くことを考えられない状況になっています。
アメリカもトランプ元大統領の政策が同じように自国主義で、アメリカ人の雇用を重要視していたので、日本人がアメリカの大学を卒業したくらいでビザを出してくれる環境ではありません。
「留学=その国での就職」というよりは、子どもには英語を学ばせ、世界の考え方に触れさせる機会を与えるという意味での留学がよいと思います。その結果として、就職する可能性が高まるというのはあると思います。
読者からの質問3:海外移住しやすい職業は?
ビザ取得という観点でいうと、日本人である必要性がある職業は強いと思います。すし職人などですね。
私の専門領域であるゲームなどのエンタメも、結構海外で仕事についている人が多い気がします。
これは目に見えないけれど、文化的価値として、(ファッション分野でフランス人が重宝されている傾向があるように)日本人が重宝されているのが背景と勝手に分析しています。
逆に日本の資格は全く通用しないので、たとえば医者、弁護士、会計士などの資格を日本で持っていたとして、海外でその資格を武器にビザ取得ができないだけでなく、その資格で仕事もできません。
あとは、言葉を使う仕事(たとえばアナウンサーや役者、声優など)は日本でも外国人が入りにくい仕事ですが、逆に言うと海外では使いにくい仕事ですね。