「私は経験者」と自分のケースばかり話す友人
「夫のモラハラというか、結婚してから収入が自分より少ない私を下に見て、家事や育児を放棄する姿に嫌気がさしたのが離婚の理由です。
休日は家族と過ごすより自分の趣味や人付き合いばかり優先し、子どもの園の送迎を『男がそんなことできるか』と言い捨てる夫にどんどん愛情が減っていきました。
離婚を切り出したら『金がないお前にそんなだいそれたことができるのか』と返され、同居のままだけど離婚調停を考えました。
調停で離婚に成功したママ友がいて、思い切って離婚するつもりだと話したら『私は経験者だから、協力するわ!』と手続きなどいろいろと教えてくれるのはありがたかったのですが…。
調停委員の様子など彼女の話は確かに重要だけど、『裁判官が若いイケメンで』『泣き真似したらちょろいよ』とかちょっと引くような話題も多く、自分のケースばかり話すんですよね。
肝心の『当日は何が必要か』『どんな服装がいいか』などは質問しても『適当だったから覚えてない』で、気がつけば彼女の『私はこうやって離婚を勝ち取った』の自慢ばかりになっていました。
でも、別居時に彼女が抱えていた共同財産の家電のローンなどはそのまま何十万も負担していて、財産分与は法律通りに半分だけどよく考えたら彼女が損をしていることもわかり、『アテにならないな』というのが感想です。
私が『やっぱり弁護士に相談してみる』と言うと『私はひとりで戦ったのよ』と鼻高々に返されて、“だから元夫に都合のいい条件で離婚したのよね”と思ったけど、黙っていました。
それから彼女と離れ、弁護士に相談しながらひとりで調停に臨み、今も話し合いが続いています。
いざやってみると離婚調停は本当に気が重くて大変で、ママ友もこんな気持ちだったのかなと思うと、ストレスが自慢話に走らせるのも何となく理解できてしまいます」(女性/35歳/看護師)
調停の経験者が身近にいるのは、未知の情報をもらえるなどありがたい面はありますが、忘れてはいけないのは「調停は本当にケースバイケース」である点です。
調停委員や裁判官が違えばその人と同じ流れになるのは考えにくく、経験者だからといって話すことがすべて正解かはわかりません。
また、これから調停に臨もうとする人に自分語りばかりしていては、余計なストレスを与えることにもなります。
話を聞くときは、「あくまでこの人のケースである」と割り切って、自分の場合はまた別の流れになることを肝に銘じましょう。