離婚は一大事だからこそ…
- 体験者プロフィール(すべて離婚調停時)
- 年齢/性別/職業:33歳/女性/会社員
- パートナーの年齢/性別/職業:35歳/男性/会社員
- 家族構成:夫、自分、娘
- 離婚検討の主な理由:夫のモラルハラスメント
「夫のモラルハラスメントがつらく、ひとりですべての家事や育児をこなすことが本当に苦痛でした。
離婚を決めたのは、お風呂に入ることをぐずる娘を夫が蹴ったからで、『お前のしつけが悪いからだ』と言う夫に恐怖を超えた怒りを覚え、家を出ることを決めました。
夫を怖がって不眠症になりかけている娘のために、すぐアパートを探して契約、それから夫に離婚してほしいと伝えました。
すでに住む部屋も決まっているとわかった夫は、『絶対に別れてやらないからな』と憎々しげに言っていましたが、娘を置いていけとは言わない姿に愛情のなさを実感しましたね。
離婚調停は以前友人が申し立てた話を聞いていたので、その子に事情を話してやり方を教わってすぐに家庭裁判所へ。
夫は私へのモラハラや娘への暴力を『やっていない。でっち上げだ』と否定していましたが、娘は小学校の担任の先生にも父親に蹴られた話をしていること、それから眠れなくなり学校で授業に集中できないことをスクールカウンセラーと私で話し合っているなど、客観的な証拠を見せられて黙ったそうです。
慰謝料を請求しない代わりに、財産分与で私に貯金を多く渡すことなどで話は進んでおり、何とか離婚は成立しそうでほっとしています。
それはいいのですが、問題だったのは調停について質問した友人。
『離婚するまでは周りには内緒にしてね』とお願いしており、友人は『わかった』と答えてくれていたのですが、共通の友人から『○○ちゃんから聞いたけど、離婚するの?』と電話がかかってきたときは本当にびっくりしました。
私が調停を起こしたことまでは知らないようだけど、『別居してるんだって?』と聞かれて答えに困りました。
そういう説明がつらいから誰にも言わずに進めていたのですが、本当に『人の口に戸は立てられない』のを実感しましたね…。
その子には離婚するつもりで別居している点は正直に答えましたが、ここでもまた『みんなには黙っていてもらえたらうれしい』とお願いすることが本当にストレスでした。
離婚や別居が恥とは思っておらず、周りに隠しているのは娘のためにも少しでも落ち着いて暮らしたいからです。
娘の通う学校にはもちろん伝えていますが、『なるべく離婚の刺激は避けて生活する』ことは目標になっていて、外部から余計なことを言われたくないのが本音。
その後、調停について相談した友人に改めてこの気持ちを話し、離婚して生活が落ち着くまでは放っておいてほしいとお願いしました。
友人に悪意はないとしても、そもそも他人のプライバシーについて安易に漏らすべきじゃないと私は思うし、子どもがいるならなおさら、変な噂なども避けたいです。
離婚はその人にとっては人生の一大事で、調停をやっているとどれだけ大変かを実感します。
だからこそ、周囲で騒ぐのはやめてもらえたらとつくづく思いますね」
悪意の有無に関わらず、「黙っていてほしい」とお願いされたら守るのが友情ではないでしょうか。
当事者には離婚に至る事情があり、たとえ心配するとしても、他人との話題に出すのはデリカシーがないと筆者は思います。
今回のように、人づてで離婚を知りわざわざ確認するような人も実際にはいるわけで、他人の好奇心に振り回されるのは誰だって嫌なこと。
離婚や調停について誰に打ち明けるかは、相手が経験者であっても慎重に接するのが自分のためといえます。
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