子育ての大変さを孫で知る…もっと早く知ってくれ!
そうこうしているうちに、夫の前妻との息子が結婚し、子どもが生まれました。
奥さんは元幼稚園の先生。子ども好きで子育てにも自信あり、といった感じで出産していました。
張り切って育児をスタートさせた奥さんでしたが、幼稚園で子どもの面倒を見ることと、自宅で24時間わが子の面倒を見ることの違いにギャップがありすぎたようで、想像以上に大変すぎてショックを受けていた時期がありました。
幼稚園では子どもたちに何かさせるカリキュラムが決まっていて、決められたとおりに指導をする。愚図った子どもがいても、ちゃんとあしらえます。
その時間が終わって子どもたちを返したら、自分の時間が待っているのだもの、「仕事」として割り切ることができます。
けれど「母」はそういうわけにはいきません。「休み」がないんですよね。生後すぐから保育園に預けるパターンはさておき、幼稚園に入園するまでの3年間はまさに「24時間体制」でベッタリ。
夫の長男夫婦とは定期的に交流があり、ときどき家族で遊びに行っていました。
うちの息子は少し大きいお兄ちゃんとして扱われ、わたしもお嫁さんの息抜きになればと、育児の愚痴を聞きながら、わたし自身の昇華されていない愚痴を一緒に言っていました。
夫はわたしが悩んでいるときには辛辣な言葉を投げていましたが、長男のお嫁さんとなると話は別。
あるとき、家族で長男夫婦の家に遊びに行ったとき、育児ストレスがMAXになったお嫁さんは、わたしと育児の話をしながら急に「辛い…」と大泣きしてしまいました。
そのときの長男くんとうちの夫の表情は「え…そんなに大変なの…?」といった表情でキョトンとしていました。
わたしは自分の分の恨みと、目の前のお嫁さんの意見を代弁すべく、大きい声で言いました。
「母親だからって言われたって、こっちも初めての子育てで死ぬ気で頑張ってるんだよね。まずは死なせちゃいけないってところから、その後はまともに育てなくちゃいけないって全部責任感を背負ってる。育児ってプレッシャーもすごいし、思い通りにならないし、自分の時間は取れないし、ほんと泣きたくなるのは当然だよね。辛かったら辛いって言っていいし、大変なのはわたしも経験してよくわかってるからね」
あのときの「…」という気まずい空気感はいまでも忘れられませんが、わたしのような理解されない苦しい経験を味わってほしくなかったし、わたしが昔言いたかったことも、ここで言いたいという気持ちがありました。
その日帰宅し、夫はボソッと「子育てって、大変なんだな…」とつぶやきました。
幼稚園の先生で子どもが大好き、子育てに自信ありと発言していた人が育児ストレスで泣いてしまう。そんなギャップからなのか、それとも大事な長男の奥さんが泣いたことに驚いたのか、わたしの悩みに耳も貸さず「生まなきゃいいのに」と言い放った夫とは別人のようでした。
「大変だよ、あのときのわたしも相当大変だったけどね」と言いましたが、自分が「生まなきゃいいのに」発言をしたことは忘れていたようです。まったく、この男は。