ジェンダーレスが叫ばれる昨今。いままでは問題にもならなかったことがあれこれ取りざたされて、どちらかといえば差別される側とされている女性であるわたしも、ときどき疲れてしまいます。
記憶に新しいのは、「女性には少ない量のステーキが提供された」という話。
「ジェンダーレス!」と必死で叫んでいても、こういう「女性ってこうだよね」という染みついた性差みたいなものって、まだまだ日常にたくさんあるんだよなぁといろんな記憶が呼び起こされたので、今回はそのことについてお話します。
染みついた性差
こんな時代になるずっと前から違和感を覚えていたのは、やはり配膳にまつわること。
お酒が好きなわたしと、甘いものが好きな夫が一緒にファミレスに行き、ビールとパフェを頼むことが結構あったのですが、100%の確率でビールを夫の前に、パフェをわたしの前に提供するのです。
料理は「ハンバーグのお客さま~」と言うくせに、なんでパフェとビールは置き場所決まってんだよ、と毎回思いました。
夫は酒飲みのわたしをからかうように、わざわざ店員さんの前で「いえ!ビールはこちらです!」とニヤニヤしながらわたし側に置かせるように大きな声で指示したりして楽しんでいましたが…。
そういう瞬間って、わたしも店員さんもとてもバツが悪い雰囲気になるんですよね。
食事で言えば、旅館に泊まったときの朝食でおひつが出てきたりすると女性側に置かれたり、ガスコンロが必要な夕食はコンロのひねり口が女性側に向いていたりで、いちいち「圧」を感じることが多いです。
ちなみにわたしはもともと他人の世話が嫌いだし、旅行先でまでお給仕をしたくないので、わが家はマメな夫がやります。
そういった「女がやるもの」という前提が抜けていないことが嫌だなと思うけど、騒ぎ立てるほどか、というとそうでもない。
その場をしのげば忘れてしまうくらい些細なことなのだけど、もしかして「おひつは女性側に」とか「コンロのひねり口は女性側に」とかのマニュアルが更新されていないのであれば、ぜひこれを機会にマニュアル改訂していただきたいなと思います。
それと「和食器」を買いたいときにも、「染みついた性差」を感じます。
わたしは結構大食いだったり、お茶漬けなどもしたいので、お茶碗は少し大ぶりなものが好きなのですが、「可愛い」と思うとだいたい小ぶりなサイズ。
もう一回り大きいものを、と思うと男性っぽいブルーのお茶碗ばかりでいつも気に入ったものが買えないんです。
お箸もそう。息子はあまり長い箸が好きではないので女性用の短い箸を買ってあげようと思うのですが、全部赤みがあってお花がついてる「いかにも女性」なデザイン。
少しかっこいいものは全部長い箸です。逆にわたしもブルー系の「これ素敵だな」という箸を見つけても、男性向けの長すぎる箸で買えないなど「箸難民」になっています。
箸って木製なので定期的に買い替えが必要なのに、ほしいものが見つかりません。