こんにちは。韓国在住6年目、日本語教師でライターのHAZUKIです。在韓ならではの生きた韓国情報をお届けします。
今回のテーマは、「有名人の校内暴力事件報道」についてです。
韓国ではここ数年、有名な俳優やアイドル、スポーツ選手などに対して、過去にイジメや暴力を受けた被害者らのインターネット上での告発が多くなっています。
この告発が起きるたびに、所属事務所と被害者が話し合い、事件の信憑性をたしかめていく場合が多いです。
告発が本当の場合は、告発された芸能人は活動を休止したり、事務所を退社。告発の信憑性が低いと判断された場合は、そのまま活動を続ける場合があります。
どちらにせよ、世間からのイメージがかなり悪くなってしまうので、最近は練習生や俳優をスカウトするときに、学校生活がどうだったのかも注意しているそうです。
さて今回は、今月「校内暴力」で話題になった俳優たちについてお話しします。
ソン・ハユンさんの「校内暴力」
さて1人目は俳優のソン・ハユンさんです。彼女は1986年生まれの37歳で、高校生のときからCMやモデル活動をし、2004年から俳優活動を始めました。
有名な作品としては今年放送された『私の夫と結婚して』『サム、マイウェイ~恋の一発逆転!〜』などがあります。韓国ではきれいで悪役がうまく、さっぱりした性格というイメージでした。
ソン・ハユンは最近、学生時代にいじめに関与し、転校したことが明らかになりました。
彼女の所属事務所は、いじめ事件への関与を認めつつも、彼女のニュースを扱った韓国の放送局・JTBCの番組『事件班⻑』で報じられた内容とは異なり、番組内でソン・ハユンが暴力を振るったとされる情報提供者とは面識がないと述べています。
告発者は「ソン・ハユンから1時間半もビンタを受けた」と証言。この部分に関しては認めてはいないものの、いじめ事件への関与は認めたことから今後の芸能活動は難しくなることが予想されます。
信憑性がないチョン・ジョンソさんの報道
2人目は俳優のチョン・ジョンソさんです。
最近話題の俳優で、『ペーパー・ハウス・コリア』『バレリーナ』『ザ・コール』など人気作品に出演しています。
MLBソウルシリーズのエキシビションマッチの始球式にレギンス姿で現れ、スタイルのよさでも注目を集めました。
彼女の問題は、被害者を名乗る人物の投稿から明らかになりました。
被害者は中学時代に「ジョンソによって体操着や制服を奪われ、悪口を言われ、トイレでドアを蹴られるなどのいじめを受けた」と告発。この内容がニュースになり、一瞬で話題になりました。
これに対し、別の同級生は擁護する投稿をアップ。彼女はジョンソが中学時代にクラスメートと仲良くしており、いじめるような性格ではなかったと証言しました。
「彼女が暴力を振るったり、金を奪ったりしたという記憶はない。むしろ、私たちの夢を応援してくれる優しい人だった」と述べ、また所属事務所も速やかに反応し、告発された内容が「全くの事実無根」と断言。
虚偽の事実の流布に対して、「当社はこの問題を非常に真剣に受け止め、必要なすべての法的措置を講じていく」とコメントし、法的措置を取る予定であることを明らかにしました。
この事件の場合はすぐに事務所が対処し、事実無根を表明しましたが、最近YouTubeやバラエティー番組にも積極的に出演していた彼女へのダメージになったことはたしかです。
こうした嘘の証言もあることから、世間では「もう少し事件について調べてから報道してほしい」との声が上がっています。
「校内暴力」がなくなるのはもちろん、報道の信憑性も今後の韓国報道の課題だなと感じますね。
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