自分の気持ちにもっと正直に生きたい。自分の気持ちに正直な人を羨ましく思う。わたしももう少し自分本位になってみたい。
カウンセリングをしていると、このように切なる気持ちを抱えて過ごしている方に出会うことも少なくありません。
そこで今回は、少しだけ、自分らしくわがままになれる方法をお話したいと思います。
やさしさとストレスを積み重ねてしまうあなたへ
「本当は、相手にこうしてほしい」「本当は、相手を誘いたい」「本当は、その人に伝えたいことがある」
それでも、相手の状況や気持ちにばかり目がいったり、相手が傷ついてしまうのではないかと考えてしまって、結局自分の気持ちを飲み込んでしまう…。
それは、その人が持っているやさしさ。ですが、自分の気持ちをずっと我慢し続けるのはしんどいですよね。知らず知らずのうちに、ストレスもどんどん積み重なっていってしまいます。
また、そうして自分を我慢させていると、周りにいる自分の気持ちに素直に生きている人を見て、すごく羨ましくなったり、ときには怒りに近い感情を感じてしまうこともあるのです。
「自分軸」を持つことの大切さ
切なる気持ちを抱えている人は、お話しているときにやさしさが伝わってきたり、配慮深かったり、とても”いい人”が多いのです。
ただ、さまざまな方とお話をしていると、”いい人”だけがそのストレスを抱えているわけでもないようです。
一見、自由だったり、いいたいことを好き放題言っているように見える人も、本当はすごくデリケートで周りの人の気持ちを繊細に感じ取っているという方も少なくありません。
最近、カウンセリングやより良い生き方を探求する本のなかでも「自分軸」という言葉をよく目にします。
「相手がこう思っているだろうから」とか、「ほかの人がこう感じているかもしれないから」など、自分以外の人の気持ちを中心に行動したり、何かを選択することを「他人軸」といいます。
これに対して、自分の気持ちを中心にすることが「自分軸」です。これは、とても大切なものです。
私たちが自分自身の人生を豊かで幸せなものにするためには、本当に自分が感じている気持ち、したいこと、欲しいものを正直に選ぶ。
でもこれは、頭ではわかっているのに、なかなかできない。
人の気持ちを先に考えることが習慣になってしまっていたり、瞬間的に人の気持ちを優先して行動してしまう。そんなことも多いのではないでしょうか?
ここには、僕たち自身が自分をどう扱っているのか?ということが影響していたり、子どもの頃から、心が経験して来た”物語”が関連していたりもします。
そこに目を向けて、カウンセリングでじっくりと”物語”に取り組むことも面白いし、また日常生活では、考え方を整理したり訓練したりすることも、ストレスを減らして楽しく生きる「自分軸」を取り戻す有効な方法です。
その考え方や訓練の方法を少し紹介しましょう。