自分を認めてくれる「ラベル」との出会い
ライターT:それは私も経験があるな。アラサーで独身の女性はいわれがちだよね。
マイコ:うん。でも、独身を貫いている年上の女友達もたくさんいるし、みんなそれぞれ楽しそうだから、とりあえず「結婚はしない」っていう考えを持ってもよさそうだなとは思うようになった。
でも、「自分の恋愛観はおかしい」って決めつけなくてもいいかなと思えたのは、35歳過ぎてからたまたま読んだ「セクシャルマイノリティのひとつに『ポリアモリー』という種別がある」という記事のおかげなんだ。
ライターT:ポリアモリーって、定義的には「すべてのパートナーの同意を得て、複数の人と関係を結ぶ恋愛スタイル」ってやつだよね?
マイコ:まあ、定義的にはね。「ひとりでも伝えていない相手がいる場合は浮気です」みたいな手厳しい書き方をしている記事を見かけることもあるけど…。まあ、でも仕方ないよね。私がこういう恋愛観であるのと同じように、「複数の人と恋愛するなんてありえない!」っていう価値観の人もたくさんいるんだろうから。
ライターT:それで、ポリアモリーって概念を知って、どう思ったの?
マイコ:その記事はポリアモリーの人たちの体験談を綴ったものだったんだけど、すごく共感できる部分があって…。
ライターT:初めて自分の恋愛観と合致した感覚があったんだね。
マイコ:うん。だけど当時は「自分はポリアモリーだ」って判断できなかったから、そういう面もあるのかなくらいに思ってたんだ。でも、たまたまその翌年に親しくなった人に、自分の恋愛観について話したら「マイコちゃんってポリアモリーなんだね!」っていわれて。
「なんでその言葉を知っているの?なんでそう思うの?」って聞いたら、「だって私の友人に普通にいるもん」って。びっくりして、すかさず、「ねえ、私やっぱりポリアモリーかなあ?」と聞いたら、「100%そうでしょ!」って返ってきた(笑)。
ライターT:ついに確証を得た瞬間だったんだ。でも、自分がそうやって「これだ!」とラベリングされることに対しては、抵抗感はなかったの?
マイコ:正直それまでは、「なんとなくそうなのかな」くらいの感覚だったから、いざそうだといわれたら自分がどんな気分になるか想像できなかったんだけど、すごく肩の荷が下りた感じだったの。「やっぱりぃ?」って。