説得力がうまれる「PREP法」
「PREP」とは、「Point・Reason・Example・Point」の略です。
- Point=要点
- Reason=理由
- Example=事例・たとえ
- Point=要点・結論
という流れで組み立てます。最初に要点をいうことで全体の軸を明らかにして、理由と事例により説得力を生み、最後にもう1度要点をまとめて結論とするという構成です。具体的な流れとしては、下記のようになります。
- Point:伝えたい内容の要点を伝える(※キーワード例「今日お話ししたいのは〜についてです」)
- Reason:理由を述べる(※キーワード例「理由は◯個あります。1つ目が…」)
- Example:具体的な事例やたとえを伝える(※キーワード例「たとえば〜をイメージしてみてください」「こんな事例(経験)があります」)
- Point:要点と結論をまとめる(※キーワード例「以上のことから、〜であるということをお伝えしました」「ですから、〜ということなのです」)
理由と事例は、なにもひとつだけに絞る必要はありません。むしろ、理由と事例が豊富であるほど、説得力は増します。
どちらかというと、日本人は「3つ」にまとめることを好むといわれています。たしかに、「3大◯◯」「御三家」などよく聞きますね。「石の上にも3年」「3人寄れば文殊の知恵」、「3度目の正直」…など、2という数字がよく出てきます。
一説によると、「1や2は点か線だけど、3になると面になる」というという考え方や、3=「満つ」という意味で、完成の数字という考え方も影響しているのではないかといわれています。個人的には、「面になる」という考え方が好きです。広がりを感じるし。
ということを考えると、「理由」には3つくらい入れた方が、むしろ収まりがよく、聞きやすいともいえますね。たとえば、私が「朝ごはんを食べよう!」というスピーチをするとしましょう。PREPで組み立てると、下記のようなイメージとなります。
Point
「みなさん、朝ごはんは食べていますか?もし食べていないという方がいらしたら、 ぜひヨーグルトだけでもいいので何か食べることをおすすめします」
Reason
「理由は主に3つあります。1つめは身体のため、2つめは心のため、3つめは時間の有効活用のためです。朝ごはんをとらないと、どうしても昼食や夕食の量が増えてしまいます。空腹のところに一気に食べ物を押し込むことは、内臓に大きな負担をかけてしまいます。さらに、朝ごはんを食べる時間を作るということは、朝に少しの余裕を持たせることになります。起きてから家を出るまで、一度も座らないままであるより、5分でもいいから落ち着く時間を持つことが、心にも余裕を生んでいきます。かえって物事がスムーズにいきやすくなるともいえます。そして、朝ごはんを食べることで、エンジンが早くかかるようになり、午前中の時間をもっと活用できるようになります」
Example
「身体を車にたとえるならば、食事はガソリン。どんなに高性能な車でも、ガソリンがなければ動きません。朝ごはんを食べずに動くというのは、ガソリンメーターが限りなくゼロに近いのに、無理矢理走らせるようなものです。なんとかノロノロ動いたとしても、すぐにガス欠で止まってしまいます。なくなってからガソリンスタンドを探しても、すぐに見つからないかもしれませんし、そこに行くまでに重い車体を押して行かなくてはならず、時間も体力もかなり消耗してしまいます。しっかり動くには、まずエネルギーが必要なのです」
Point
「以上のことから、朝ごはんは少しでもいいからちゃんと食べる、ということをおすすめします。それが私たちの心と身体、そして時間を大切にするということの第一歩につながっていきます」