24時間365日仕事に集中、それでいいのか?
あいさつが終わって、そのCEOが立ち上がって去っていく様子を見ていたら、彼の髪の毛がぼさぼさなんです。
そこでわたしが普段日常的に話をしている貿易部長に、「彼の髪の毛って、いっつもあんなにぼさぼさなの?」と聞いたら、彼がわたしにウィンクして「彼はいつも新しいことを考えていてなにか新しいことを考えるたびに髪の毛をくしゃくしゃにする癖があるんだ。きっといまもいろんな人と会って刺激受けたから、また何か新しいことを考えてるんじゃないかな?」と半分冗談で教えてくれました。
彼の様子からは、「きっと毎日バリバリ仕事していて、いろんな人と会って、週末も働いて、普段も毎晩遅くまで仕事してるんだろうなぁ」って想像してたんです。で、聞いたんです。「彼ってちゃんと週末とかお休みしてるの?」と。
すると貿易部長は「彼、ああ見えても、ちゃんと週末は家族とサイクリング楽しんだり、普段も結構家には早く帰ってるよ。とはいっても、サイクリングしながらでも次の買収先をどこにしようとか、きっとそんなことを考えているんだろうとは思うけど」と答えました。
成功者は、仕事を楽しみながらやっている人が多い。だから、おそらく365日間休みなく働けといわれても、きっと苦にならずにやっちゃうと思うんです。
でもわたしが見てきた成功者たちの多くは、週末の趣味、家族サービス、友人とのつきあいというような、仕事とは関係のないプライベートな時間もとっても大切にしています。
それは、どんな好きな仕事でも、やはり24時間365日それにばかり集中していては、逆にいいアイデアが出てこなくなるということをちゃんとわかっているからだと思うんです。
わたしがいるいまの会社でも、なんとなく「毎日遅くまで仕事して週末まで仕事というのが美徳」とさえ考えられているような感じもあります。
早く帰ると仕事してないように思われる不安感、みんなが仕事してるのに早く帰る罪悪感、それを払拭するために残業…というようなひとがたくさんいるような感じです。
だから会社が「ノー残業デー」みたいなものを作る必要があるんでしょうね。でも、あなたの過去の経験を思い出してみてください。
事務的な情報処理やら法律のリサーチやら、時間内にできる限界のある仕事でとにかくたくさんの処理すべき仕事があって、「いくら時間があっても足りない」というケースは別です。
でも、「何か困った問題が起こった」「いい案が浮かばない」「いいプランが書けない」「いい製品が開発できない」というような行き詰ったとき、「本当にいいアイデア」は、じっと机に向かったり、パソコンに向かってその仕事のことを一心に考えているときに出てきましたか?
わたしの経験でいうと、仕事でクレームが起こってその解決策を必死に考えても、なかなかいい案がでなかったとき、開き直って家に帰って、ゆっくりお風呂に入って、美味しいもの食べて、布団のなかに入った途端にすごくいい解決策が浮かんできて、翌日クレーム解決なんて話がたくさんあります。