同じ会社に好きな人がいる社内恋愛は、片想いでも恋人関係でも存在を近くに感じられて幸せなもの。
その反面、好意を周囲に知られておかしな噂を立てられたり、ネガティブなことがあれば業務に支障が出たりと、マイナスな点もあります。仕事より恋愛を優先して自分が苦しむようでは、社会人として問題です。
前回に引き続き、実際に社内恋愛で失敗した人はどんなことがあったのか、エピソードをご紹介します。
負担をかけすぎて…
「年上の上司を好きになり、お互いに独身というのもあって本気で付き合いたいと思っていました。
仕事熱心で部下への指導は優しく、パワハラやセクハラの噂も聞いたことがない上司でした。
部下のひとりとしか見られていないことはわかっていたので、『まずは仕事で成果を出して認めてもらおう』と張り切っていたのですが…。
『不安なことはまず確認して』と上司が言うのを真に受けて、取引先に出す書面の文書から電話で対応するときの口調まで、細かく質問していました。
その都度話を聞いてくれて、『あれはどうだった?』と結果まで気にして話しかけてくれるのがうれしかったです。
気がつけば昼休みまでファイルを持って上司のもとへ行こうとしていて、それを見た同僚から『さすがに迷惑でしょ』『もっと自分で考えたら』と止められたけれど、それより会話ができるチャンスを逃したくなかったですね…。
ある日、同じ部署の先輩が『◯◯課長から、君の業務について質問を聞くように言われた』と言ってきて、次から上司ではなくこの先輩を頼ることになり、ショックを受けました。
同僚は『やっぱり負担だったのかもね』と呆れていたけど、私としてはプライベートじゃなくて仕事上の質問だから大丈夫と思っていて、遠ざけられたようで悲しくて。
結局、上司と話す機会はぐっと減り、仲良くなるのは難しくなりました。
熱心に上司のところへ通っていたせいか周りには『やる気のある人』と思われていて、いまはその期待に応えるのが大変です。
上司が私のことをどう思っていたか、知ることもできないのがつらいですね…」(女性/30歳/販売)
「仕事のことで質問」を理由に好きな人と接する機会を増やすのは、決して悪い手ではありません。
業務がスムーズに進むだけでなく会話が増えればそれだけ心の距離も近づくので、その時間を上手に使って親密度を深めたいですよね。
問題なのは、質問する頻度と内容。
「まず確認して」と言われているとしても、自分で調べず考えもせず、やみくもに聞きに行くばかりでは「本当にやる気があるのかな」と思われます。
親しくなれなかったのは、会話が質問とその答えだけで、個人的な関心を引くような自分を見せられなかったから。
また、相手の時間を一方的に奪うやり方も甘えすぎです。負担が大きくなれば相手は離れてしまうので、話しかける前に質問の内容や場の状況をしっかり見極める姿勢が肝心、と心得たいですね。
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