離婚した元配偶者とは、その後いっさい会わないし消息も聞かないという人もいれば、子どもの面会交流で定期的に顔を合わせる機会が続いているなど、付き合い方は人それぞれです。
どんな理由であれ元配偶者は結婚生活が破綻した人、離婚後の関わり方で改めて相手の本性を知ることもあって複雑な思いを抱える人もいます。
他人になったからこそ距離感を持って見ることができる「元配偶者」について、離婚後の関係はどうなっているのかをご紹介します。
「他人なのだ」と実感したこと(女性/42歳/公務員)
「元夫とは、いわゆる『性格の不一致』で離婚しました。
子どもがおらず共働きで好きに使えるお金があったせいか、夫婦生活よりそれぞれの趣味や好きなものに意識を向けていたせいで仮面夫婦のような状態でした。
同じテーブルで食事をすることがなくなって1年くらいして、元夫のほうから離婚したいと言い出しすんなりと離婚届を提出しました。
離婚と同時に私が家を出てひとり暮らしをはじめ、『気配はあるのに会話をしない人間』がいないことに解放感がいっぱいの生活を送っていましたね。
ただ、クルマ関係の仕事をしている元夫とはそれからも私が乗るクルマの整備や車検をお願いしていて、自損事故を起こしたときも真っ先に連絡していました。
離婚のときに罵倒しあったり財産分与で揉めたりすることがなかったので、元夫に大きな嫌悪感を持っていなかったのはたしかです。
向こうも、自分の趣味について理解のある私に離婚後もLINEで話題を振ってきて、少し話すこともありました。
だからといってまた好意を持つとかやり直したいとかいう気持ちはさらさらなく、どこかで『お互いに好きな人でもできたらこんな関係は終わるのかもな』と考えていました。
ある日、保険の契約更新について電話で話しているときに、元夫から『彼女ができた』と言われて。
その瞬間感じたのは、『ああ、この人にとって自分はもう本当にただの他人なのだな』という寂しさで、愛情を別の人に向ける自分を伝えてくる元夫の状態を改めて知り、それまであった言葉にできない情愛のようなものがしぼんでいきましたね。
別れても、どこかで他人以上の感情が私にはあったのだろうと思います。
元夫とはそれ以来クルマ関係以外で連絡することはなくなり、彼女とうまくいってほしいと思う反面、取り残されたような虚しさもいまだに感じています」(女性/42歳/公務員)
離婚してからも、何かで付き合いが続く元配偶者。
結婚していたころの愛情はもうなくても、「普通に接することができる関係」になると、そこから気持ちがほころんでつながりに愛着のようなものを持つことも、あるのかもしれません。
それでも、突きつけられるのは本当に他人である自分、その事実を目の当たりにすれば、どこかでまた線を引くことを必要になるのですね。
これを機会に、彼女も新しい世界に踏み出せればいいなと思います。