初めて洋服を買いに行く息子はやっぱりユニークだった
服に興味のなかった息子が、今年の春に突然「洋服を買いに行きたい」というので連れて行ってみると、レディースのコーナーにまっしぐら。
「メンズはこっちだよ」と言うと、「うんうん知ってる」と言いながら、レディースアイテムを物色しています。
なんとなく「ひらひら」とか「きれい」な感じのものが好きなのか、あれこれ手に取って眺めている息子を見て「着るのはタダだし、試着してみたら?」と薦めてみると、嬉しそうにいそいそと試着室へ。
ちなみに息子は洋服に一切興味がないので、3歳くらいからずっと制服など必要な服の試着もしてくれず、いつも不条理にブチ切れられながら試着をしていただいていたので、自分から試着室に入る息子を見るだけで感動…(笑)。
手のかかる息子を持つと、感動のハードルが下がるので、すぐに感動します。
そんな息子が選んだのは、「フェミニンすぎじゃね?いつ着るんだよ…」と突っ込みたくなるブラウスと、今年のトレンドのショート丈トレンチ、そしてハイウエストジーンズ。
学生感まるだしのメンズカットにフェミニンブラウスはわたしの目から見てかなり違和感だったので、「これはちょっと違和感あるけど」と言ってはみたけれど、とろみのあるブラウスの感じが好きだとのこと。
レジの横には、ちょうど「メンズ・レディス兼用」としてジェンダーレスをうたった企画コーナーがあり、男女どちらでも違和感なく着られそうなデザインの服が陳列されていました。
息子にそれを見せてみましたが、完全に無視。実際に着ることはないかもしれないけど、「初めて息子が自分で選んだ記念だ」と思って、息子の選んだ服を購入しました。
頭の固い「ジェンダーレス」をひらりと飛び越える息子
そのときに強く思ったのは、大人が考えるジェンダーレスって、結局「男女兼用」でしかなくって、頭で考えているだけだなぁということ。
本当のジェンダーレスって男女兼用とか、男らしさ、女らしさを消しあうことではなくて、「女っぽいものも、男っぽいものも、そもそも男っぽいとか女っぽいとかいう意識さえ気にせず、男女関係なくお好きにどうぞ」ってことなんだなぁと、息子に教えられた気がしました。
「カッコイイ」より「かわいい」と言われたいという息子は、立ち方を意識して内股にしてみたり、さらにフェミニンな丸メガネに変えたりと、どんどんファッションが謎めいてきていて、わたしの好みのファッションからかけ離れていきます。
しかしこればっかりは本人の好みなので、好きなようにやっていただくしかないですね。
そんな息子は、そもそもみんな「自分が好きなものが好きでいいじゃん」という考えなので、変わっている子をからかったりすることもしないし、誰かを見下すようなこともしません。そういうところも、息子の素晴らしい一面です。
息子は大人が考えるより、もちろんわたしよりもずーっと先に進んでいて、「多様性!」と叫んでいるくせに、差別意識がしみついてぬぐえない大人なんか目もくれていません。
自分街道をひた走るマイペース息子がやっぱり世界一いとおしくて、誇らしいんだよなぁと思いなおすきょうこのごろです。
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