義実家はどうしても存在が近くなり、距離感のコントロールに悩む人は多いもの。
こちらは普通に暮らしていても、義実家のほうからおかしな詰め方をされ応えざるをえないことで、ストレスが募るのはつらいですよね。
避けられない関わり方はあれど、度が過ぎた要求はきちんと拒否しないといつまでも奪われることが続きます。
義実家の異常な要求に夫婦はどう対応したのか、実例をご紹介します。
「就職に失敗した甥っ子」の存在(44歳/パート)

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クボさん(仮名)は結婚して20年になる夫とふたりの子どもがいて、「毎日が慌ただしいけれど家族で笑える時間が多くて幸せ」と話していました。
「夫の実家はクルマで10分ほど、自転車でも行けるところにあって、特にべったりでも冷たすぎる距離感でもなく問題なく過ごせていました」と振り返ります。
子どもたちも義実家に遊びに行く機会があり、誕生日などのイベントもみんなで盛り上がっていたと話すクボさんですが、雲行きが怪しくなったのは関東から甥っ子が帰ってきてからでした。
「夫の兄の息子さんで、関東の大学に進学してそのまま就職できたのですが、人間関係がうまくいかなくなって退社したと夫から聞いていました。それで実家に戻り、こっちで新しい就職先を探すと義母たちからは言われていたそうです」
甥であれば直接我が家に関わることはないと思っていたクボさんでしたが、それから度々聞く甥っ子の状態は、たまに短期のアルバイトに行きそのお金は全部自分のものにして実家には入れず、ぐうたらと過ごすことが多いようでした。
クボさんの夫はそんな甥っ子を心配して自分でも就職先を探していたそうで、「まだ若いし仕事を選ばなければ何かはある」と兄にも話していたといいます。
「お金がない」とこぼす義母

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クボさん夫婦はともに正社員として別々の会社に勤務しており、ふたりの子どもたちの将来を考え、教育費の貯蓄に日々がんばっていました。
それは義母にも話しており、「子どものために使うお金として残している」とはっきり伝えていたそうです。
それを思い出したのは、義母が以前より家に来る機会が増えて、そのたびに「お金がない」と愚痴をこぼすことが多くなったから。
「最初は甥っ子がちゃんとした仕事を見つけないとか、稼いだお金を家に入れないとかで、それは大変だと思うし義母のせいじゃないし、私も同情して聞いていました。それがいつの間にか『この家は貯金があるのよね』と我が家について触れるようになって、『あるけれど、以前もお話した通り子どもたちのためなので』と伝えていました」と、クボさんは深く考えずに答えていたそうです。
このことを夫に話すと、『万が一あてにされたら困るから、俺から話しておく』とすぐ義母に電話をかける姿をクボさんは覚えています。
それから義母がクボさん宅の貯蓄について話題にすることはなくなりましたが、「その代わり、『実家が困っているのだから、考えるのも子どもの役目だけどね』と夫について文句を言うので、返事に困りましたね』とクボさんはため息をつきました。
夫から義母の様子を尋ねられ、そのままを伝えたら『考えるって、俺の前に一緒に住んでいる兄貴がそうするべきだろうに』と呆れ顔だったといいます。
夫の兄はバツイチで、正社員として長く会社務めをしており、実家にいるけれど生活費などは義母にきちんと渡していることは知っていました。
「弟の貯金を頼る前に、父親である兄貴がまずは何とかするべき」が夫の論で、それはそうだとクボさんも頷いていたそうです。