こんにちは。韓国在住歴9年目、会社員兼ライターのヘリです。
みなさんは、マイホームを買いたいと思いますか?または、すでにお持ちですか?
韓国では、家を購入することは人生で重大なことだと考えられています。しかし、韓国の不動産はここ数年高騰しており、最近少し下落したもののまだ若者が家の購入を諦めてしまうほど高額です。
そんな韓国の不動産で唯一の希望である「住宅請約総合貯蓄(チョンヤク)」についてご紹介します。
韓国の不動産事情
韓国は、都市への人口集中が日本よりも深刻です。
ソウル近郊や釜山、大邱、光州など有名な都市以外は、ほとんどが都市化されていません。
筆者も韓国人の田舎の実家に行ったことがありますが、日本人が想像する田舎よりももっと開発されておらず、驚きました。
韓国の地方には企業が少なく、選択できる幅が狭いため、多くの若者は仕事を探しにソウルへ上京します。
そのためソウルに人口が集中し、不動産の価格が高騰しているのです。
東京よりも人口密度が高いソウルには、一軒家は少なく高層アパートがほとんど。一軒家は有名芸能人のような大金持ちでなければ住むことができません。
筆者は長年韓国に住んでいますが、未だに韓国ドラマに出てくるような一軒家に住んでいる韓国人に一度も会ったことがないくらいです!
2023年に韓国不動産のバブル崩壊が騒がれていましたが、アパート平均価格は1億円以上を維持しています。
住宅請約総合貯蓄(チョンヤク通帳)とは?
「住宅請約総合貯蓄(チョンヤク通帳)」は、韓国で新築分譲マンション(アパート)を購入するときに必要な金融商品です。
チョンヤク通帳がなくても新築アパートを購入することはできますが、この制度を使って購入することで通常よりも安く購入することができます。
チョンヤク通帳は1人1つ作ることができ、一定期間コツコツとお金を貯めていくと、分譲マンションを購入するための抽選に当選する確率が上がります。
積み立て期間や金額、住宅を持っていないこと、該当地域に住んでいるかなどの基準によって選考順位が決められます。
特にソウルの分譲アパートは人気が高く、家賃が高いのは覚悟のうえでチョンヤク制度のためにソウルに住むという人もいると聞いたことがあります。そのくらい、マンション購入の競争率が高いのです。
家を買いたくても買えない理由はお金だけでなく、当選できないという点も考えられます。実際に筆者も一度挑戦しましたが、落選しました。
何度も挑戦してやっと郊外のアパートに当選したという話もよく聞くので、家を買いたければ妥協と根気強さが必要なのかもしれません。
韓国の不思議な賃貸制度「チョンセ」
チョンヤクに当選するまでは賃貸に住む人が多いですが、韓国には賃貸制度が2種類あります。
ひとつは日本同様に毎月家賃を払う「ウォルセ」、もうひとつはまとまった保証金を払い家賃は支払わない「チョンセ」という制度です。
チョンセは保証金を出せば家賃は出す必要がなく、退去するときに保証金を返してもらえるので、住むための費用はかかりません。
ただ、保証金が最低1000万円程度なので、ほとんどの人は保証金を払うために銀行でお金を借りて、その利子を毎月払っています。
ウォルセよりはチョンセの方が安く住むことができるため、ある程度お金がたまったらチョンセを利用するのが一般的です。
しかし、2023年に不動産価格が下落したときから、保証金を返してもらえないチョンセ詐欺の事例が増えています。
保証金もどんどん高騰していて、チョンセもなかなか利用しづらいのが現状です。
韓国の不動産事情は日本とは違う点が多いことがわかりましたね。
韓国で家を買って安定した暮らしを得るためには、チョンヤク通帳にお金をコツコツ貯めて運よく当選する日を待つしかなさそうです…。
韓国の新築アパートのモデルルームを見に行ったことがあるのですが、シンプルなインテリアで備え付けの収納スペースが多く、ドレスルームも付いていてまさに理想の家でした。
希望を捨てずに、頑張ってチョンヤク制度に挑戦しようと思います!
- image by:2p2play/Shutterstock.com
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。