「伝わる」ように「伝える」。簡単なようで難しいと苦手意識を持っている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、「言葉の組み立て方」についてお話します。
「組み立て」というと、とっさに「話法」を思い描く方が多いようです。「○○法」と名のついた、組み立てのコミュニケーション手法は実際たくさんあります。そしてそれらはもちろん、「伝え方」においては有効に働く方法であることは間違いありません。
ただ、コミュニケーションはリアルタイムに行われることがほとんど。プレゼンテーションや発表なら準備もできますが、コミュニケーションにおいては準備の時間などほとんどなく、とっさの判断で行われているものです。
そんな短い時間に状況と相手を見ながら、瞬時に話法に沿った組み立てができるかというと、なかなかハードルが高いでしょう。多くの人がここで躓き、諦めてしまいます。
応用的な「コミュニケーション手法」については後半で触れていきますが、まずはリアルタイムの会話においてぜひ気に留めておきたいたったひとつのポイントについてお話しましょう。
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たったひとつのポイント
ポイントは「伝えたい言葉を前に置くか、後に置くか」これだけ。ほんの些細なことですがこれを意識するだけで、伝わり方はずいぶん変わります。たとえばこの2文を比べてみてください。
- A:あの人は優しいけれど頑固な人だ
- B:あの人は頑固だけれど優しい人だ
どちらの方に好印象を抱くでしょうか。多くの人が、Bを選びます。Bの方が優しそうだと。でもこれ、どちらも同じことをいっています。どちらも優しくて、どちらも頑固なのです。
違うのはただ「順番」。どちらかというと、前にあるものより後にあるものの方が、より印象に残りやすいということです。
同じことをいうのでも、どれを先にいい、どれを後にいったか。もっといえば、途中に何をいっていようが、最後に何をいったかが、その後に強く影響を与えるのです。ここを意識しないから、意図せずとしてあらぬ結果を招くことがあります。