こんにちは、椎名です。僕は心の性は定めていないセクシュアルマイノリティで、女性のパートナーと生活をともにしています。身体の性別は女性で、生殖器のオペを望んでいないため「生理」がきます。
今回は生理が重く悩んでいた僕が、男性や生理が軽い女性からの「生理への理解」について考えました。生理があってもなくても、重くても軽くても、生理について考えるきっかけになれば幸いです。
年々深刻になっていった生理トラブル
僕の場合、生理が始まって間もない10代のころはあまり生理痛には悩まされませんでしたが、初日〜3日目の経血量が多く、経血モレに関するトラブルに見舞われることは多々ありました。
生理痛が重くなってきたのは20代前半、社会人になってから。生活の変化や仕事のストレスからか、生理痛が歳を重ねる毎に強くなり、毎月痛み止めを飲みながら我慢して業務をこなしていました。
20代後半に差し掛かると、生理痛に加え生理前のイライラや不安感、気分の落ち込みといったメンタルの不調が目立つようになりました。
メンタルの不調が生理によるものだと気づいてからは、それらの苦しみのなかで「これは生理のせい」と堪えることしかできず、早く生理が来ることを祈り、生理がくると安堵していました。
30代に入ったころには生理初日〜3日目に風邪の引き始めのような症状と、生理がはじまる前や排卵時と思われる時期に出血することが起きはじめました。このように、僕の生理は年を重ねる毎に悩ましい症状が増えていったのです。
いまは低用量ピルを処方してもらい、服用しているので症状は驚くほど改善されています。
しかし当時は本当に辛く、SNSなどで世の中の生理に理解のない人にかけられた発言などを目にすると「毎月こんなに辛いのに!」と悔しさや腹立たしさを感じてしまっていました。
悪化する生理症状の先にあったもの
僕が低用量ピルを処方してもらうようになったのは、数年前急に生理不順が起きたことがきっかけでした。
生理痛やメンタルの不調が酷くても毎月多少予定日を前後する程度で生理がきていたのに、あるとき急にひと月以上生理がこないということが起きました。僕のパートナーは女性なので、妊娠の可能性もありません。
生理前出血が起きるようになったころから定期的に受診していたレディースクリニックで診てもらい、おそらくストレスが原因だろうと生理の誘発効果のあるホルモン剤を処方してもらいました。
服用後無事生理はきましたが、その後引き続き定期検診を受けていた昨年末に左の卵巣にチョコレート嚢胞(のうほう)がみつかったのです。
チョコレート嚢胞とは子宮内膜症の1種で、何らかの原因により子宮内膜が卵巣で発生してしまい、本来経血として排泄される内膜が卵巣に溜まってしまうことです。(参考:東京国際大堀病院)
直接の原因はわかっていないとされていて、チョコレート嚢胞は卵巣がんの原因にもなる可能性があり、卵巣の肥大化が続くと最悪卵巣が破裂してしまうこともあるそうです。
手術による治療も可能ですが、幸い手術の必要がない肥大化のし始めに見つけることができたので、低用量ピルの服用で肥大化を抑える治療法を選ぶことができました。
ピルの用途は避妊と思われがちなところが未だありますが、避妊だけではなくこういった治療や生理症状の改善にも用いられています。