6歳の女の子を持つママライター、EMIです。私の母は、アルツハイマー型認知症。認知症と診断されてから5年が経ちます。介護度は「要介護2」で、現在は高齢者住宅で介護サービスを受けながら生活しています。
認知症が進行すると、記憶障害、理解力、判断力の低下、意欲低下など、さまざまな症状が現れ、家族はそれに向き合っていかなくてはなりません。
私の母は、認知症が進行してから頻繁に「寒がる」ようになり、真夏でも厚着をするようになりました。
部屋のなかは冷房が効いているので、「外の温度がわかりづらいのかな」と最初は思っていたのですが、実際に外にでても厚着のまま。暑さをあまり感じないのです。
そこで、今回は認知症による「寒がる」原因や「夏場に寒がって厚着をしたときの注意点」などをお伝えしたいと思います。認知症のご家族がいらっしゃる方のお役に立てば幸いです。
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真夏でもダウンジャケットを着て出かける母。認知症の人が寒がる原因とは?
認知症が進行すると、季節に合わない格好をすることがよくあります。
私の母も認知症が進行してから、夏なのに冬のダウンジャケットを羽織り外出することが多くなりました。
30度越えの真夏日にダウンジャケット着て外を歩く母。周囲の人からはおかしな目で見られることもあります。
そんな母に「いまは夏だよ!しかもきょうは30度を超えてる!そんな格好をしてたら熱中症になるから脱いだほうがいいよ!」と伝えると、母は「年寄りと若い人では、温度感覚が違うのよ!私は寒く感じるのよ!ノースリーブなんか着て寒くないの?」とダウンジャケットを着ていこうとします。
「外に出れば、きっと暑くて脱ぐだろう…」と思っていたのですが、外に出てもあまり暑さを感じないのか、ダウンジャケットは着たままなのです。
しばらく、歩いていると汗をかいている様子でしたが、ダウンジャケットを脱ぐ気配はありません。夏に厚着をしていると熱中症なども心配です。
そして、「薄着になるように!」と母を説得するのですが、何度も注意することで「大丈夫!」と怒ってしまい、余計脱がなくなってしまうのです。
では、認知症になると、なぜ真夏でも厚着をするのでしょうか?
夏でも「寒がる」原因とは…
認知症になると「寒がる」原因として次のような理由が考えられます。
- 脳の自律神経に影響がでることで、体温調節がうまくできない。
- 特にアルツハイマー型認知症の場合は、季節の変化に対する認識や周囲と自分の服装が違うという認識ができなくなる。(見当識障害)
- 精神的な不安が「寒がって着こむこと」につながる。
特に3の場合は、認知症によって感じる不安を「服を着こむこと」でやわらげることができると感じる方もいるようです。
寒がるのは原因は年齢にも関係する?
認知症になると夏場でも「寒がる」というお話をしましたが、加齢の影響によっても「寒がる」ことがあります。
高齢の方は、若い人に比べ体温が低い傾向にあります。加齢に伴う筋肉量の減少が、体温低下の原因と考えられているのです。
そして、65歳以上の高齢の方は温度変化を感じる感度も低下します。寒いときに熱を発生させたり、暑いときに汗をかいて体温を下げる機能が遅れたり低下するため、若いときに比べて「寒い」と感じやすくなるのです。
高齢になると、自然と体温が低くなるということも理解する必要あります。