20歳年上の夫と高1マイペース息子を持つアラフィフ主婦ライター、塩辛いか乃です。
- これまでの「逃げ」の中学受験
- 「高校受験回避」も、選択肢のひとつ。マイペースな息子の“逃げの中学受験”
- 勉強は嫌い、集団行動は苦手。マイペースな息子が「中学受験」に乗り気になった理由
- 勉強嫌いな息子に中学受験は無理なのか?何度も打ち砕かれそうになった「塾選び」
わたしの独断と偏見で「中学受験!」というキーワードが舞い降り、勉強アレルギーの息子の手を引いて右往左往しながら塾選び。
そしてやっと見つけた、運命の塾。そこでは勉強嫌いの息子も「やる!」と言わせてしまうカリスマ塾長がいました。
「座って話を聞く」から始まった受験勉強
やっと通う塾が決まってほっとしたものの、これからの塾生活がどうなるのか想像もつかなかったし、そもそも中学受験は通常3年生の冬から始めるもの。
わたしが気づいたのはすでに4年生の秋で、右往左往して迷っていた期間も含めて気づけば息子は5年生の春。いま考えれば、だいぶ後れを取っていたなぁと思います。
いろんな塾を見て右往左往した理由は、別の塾に体験に行かせてみて、そこではまったくちんぷんかんぷんで高度な授業が展開されているのに、体験の息子を差し置いてどんどん授業が進んでいるのを目撃し、ふと疑問に思ったわたしは「ここまでのキャッチアップは誰がするのか」と聞いたら、その塾の先生は「そこはまぁご家庭で」とのたまったから。
だって漢字一文字書かせるのも大変なわが子に、わかんないものを教えるって、塾に行かせる意味がないじゃない?っていうか塾ってわかんないことを教えてくれるところじゃないんだっけ?えっ、塾にもいろいろある?…ってそんなことどこで教えてくれるんだよー!と叫びたい気分でした。
でもこの塾は「まったく問題ないです」と言い切ったので任せることにしたのです。
5年生は「塾に来るだけでオッケー」と言われたので、半信半疑でとにかく送迎だけ頑張ることに。
それでもゴールデンウィークなど宿題の冊子のようなものが出て、「これはやらせたほうがいいですか?」と問い合わせると、「やってもらいたいけど、無理やりやらせても意味ないです」と言われたり、本当に最初はわけわからん状態。
塾の先生が「自分からやることに意味があるんです」って言うのはわかるけど、そんなの待ってたら受験日来ちゃうよ。
焦りつつ、やっぱり最初の宿題はひっついてやらせてみたけれど、そもそも勉強嫌いでアレルギーな息子は、たった数問の計算問題に手を付けるまでに何時間もかかり、本当に苦労しました。
「まったく問題ない」のは、6年生になってからの塾生活を見て「なるほど」と思ったけれど、そのときはわからなくてやっぱり心配だったので塾長を捕まえてはあれこれ聞きまくっていました。
塾に入って3カ月くらいして、先生に息子の様子を聞いてみると「うーん、まずは座っていることからですかね」と言われてショック。
授業が始まって15分で集中が切れる。「ほかにもそういう子いるので大丈夫です」とは言われたけど、それ3時間の授業のうち、2時間45分は聞いてないってことじゃん。
先生は切々と語ってくれました。「集団授業というのは、その子の意識によって吸収する量が全然違います。黒板を書けばすぐにノートをとる子、ノートをとってねと言われたらとる子、とってねと言われてもとらない子…と同じ授業でも吸収が違うのはわかりますよね?」と。わかります。すごくわかります。
そして、うちの息子はその前段階の「まず座って話を聞く」が15分しか持たないということで。それ6年生までに治るのかな、とまた不安に。
先生には「まぁだんだん慣れてくるし、先生側もよく見ているのでご心配なく」とコメントをいただく。そしてついでに「それと、えんぴつガジガジは気になったのでなおしました」と言われました。
息子は集中が切れるとえんぴつをかじってしまう癖があり、えんぴつの後ろ側がハムスター飼ってる?というくらい木肌が見えてしまっていました。
先生がうまいこと指摘してくれたようで、気づいたら治ってたそうで…ってそこから治すの!?前途多難すぎます。勉強にたどり着くのはいつのことやら。
そうはいっても勉強嫌いな息子の割には、週3回の塾は思ったより嫌がらずに行ったほうかなと思います。
滅多に勉強の話はしませんが、ときどき塾でおもしろい話を聞いてくると興奮して話してくれて、やっぱり塾の先生は子どもの心をつかむのがうまいんだなと感心。
しかしやっぱり「座っているところから」というコメントでは不安がぬぐいきれない私は、誰か先輩ママさんと知り合えないかと思っていました。