20歳年上の夫と高1マイペース息子を持つアラフィフ主婦ライター、塩辛いか乃です。
家でまったく勉強しない、勉強嫌いの息子を中学受験させようと一念発起し、息子に合う場所を探し回って出会った運命の塾に通い、いよいよ年末を迎えました。
- これまでの「逃げ」の中学受験
- 「高校受験回避」も、選択肢のひとつ。マイペースな息子の“逃げの中学受験”
- 勉強は嫌い、集団行動は苦手。マイペースな息子が「中学受験」に乗り気になった理由
- 勉強嫌いな息子に中学受験は無理なのか?何度も打ち砕かれそうになった「塾選び」
- 「座って話を聞く」から始まった受験勉強。息子を大きく変えた塾の指導方法
- 「丸投げ塾」で親子ともハッピー!?勉強嫌いの息子の中学受験奮闘記
- 勉強嫌いな息子の中学受験。直前の「志望校決め」と「前受け戦略」
「お正月にテレビを見ると落ちる」なんていわれていましたが、わが家の息子はのんびり。塾のお友達とオンラインゲームに興じていました。
これを心穏やかに見ていられたのも、お正月明けからさらに「塾漬け」になることが決まっていたからかもしれません。
学校に通うか、休んで塾に通うか
中学受験の試験内容は、小学校で習う内容と全く異なるため、受験の追い込みのために学校を休んで塾に通う子も多いと聞きます。
なので1月は塾も本腰を入れ、朝10時から塾の自習室がオープンします。それを利用するかどうかは、それぞれの家庭次第。
1月も通常通り学校に通って通常通り夕方から塾で勉強するか、もしくは小学校を休んで塾で最後の演習をするか。
わが子はどうするのだろうと思っていましたが、塾の先生からは「休めとは言えませんが、来ていただく方がありがたいです」と言われました。
特にうちの息子が所属するしたのクラスでは、受験に向かう意識が低いので、できるだけ過去問を解いてしっかり定着させたいとのこと。
息子が一番仲良くしているお友達は「絶対に来い」と言われていたそうで、1月は朝から塾に通うことが決まっていたため、息子に確認したところ「塾行く」とのこと。
子どもによっては学校が気分転換や息抜きになる場合もありますが、うちの息子は疲れやすく、学校と塾のダブル生活も体力的にハードだなと思っていました。
もともと学校があまり好きではなく、学校の友達よりもいまは塾にいるほうが楽しそうなことや、息子の場合は学校に通っている時より、夏期講習や冬期講習など塾に集中できる時期の方が成績が上がるなどいくつかの要素もあり、悩んだ挙句、1月は学校を休んで塾に集中することに決めました。
ぶっちゃけ、ここまで来たら合格してほしい。仕上げが肝心なのは、自分の大学受験でも経験しています。
「前受け」受験からスタート
新年は、「前受け」受験からスタートです。塾のお友達がみんな受けるので、待ち合わせして受験会場へ。
すると、受験本番の雰囲気を出すためなのか、塾の先生たちがずらりと並んでお出迎え。
塾長も応援に来ていて、ワイワイと記念撮影してお祭り気分。母たちも付き添いで待合室に行き、ゆるい雰囲気のわたしたちはなんやかんやとおしゃべりしながら終わるのを待ちました。
子どもたちも練習と思っているようで、模試と同じノリで受験終了。
「まず間違いなく受かるでしょう」と言われていたのですが、それでも数日後に出る合否の結果は気になりソワソワ。
数日後、無事一校目の前受けは合格をいただきました。かなりの確率で合格をいただける学校でしたが、それでも「合格」をいただくのは子どもにとっても親にとっても嬉しいものです。
前受け1校目が終わり、いよいよ本格的に「塾漬け」の日々がスタート。朝9時から夜7時まで、塾に缶詰めです。あんなに勉強嫌いな息子がまさか1日中塾に行きっぱなしの日が来るとは…。
じりじりと迫りくる入試本番。過ぎていく毎日。もう、こんな経験は二度としないだろうと思いながら、日々を過ごしてしました。
けれど子どもはあっけらかんとしていて、それに救われました。
夜、お迎えに行くと、勉強が嫌いで体力がないはずの息子がクラスメイトとゲラゲラ笑って大騒ぎしながら階段を駆け下り、塾の並びにあるコンビニにダッシュ。
一緒に、からあげだのお菓子だのを買い食いしています。体力がない息子でしたが、お友達と一緒にいるのが楽しくて仕方ない様子で、小学生男子のパワーを見せつけられました。
息子と仲良くなったママさんたちとも毎日送迎で会うので仲良くなり、おちゃらけて楽しそうな息子たちを横目に、不安な母たちの井戸端会議も繰り広げられる毎日。
息子が仲良しになった子のママたちはみんな受験の熱量がさほど高くない人ばかりだったのと、それぞれが別の志望校だったこともあり、腹の探り合いのようなこともなくて居心地がよい人たち。
中学受験はドロ沼化すると、お互いの探り合いや、足の引っ張り合いもあると聞いていたので、それとは別世界での受験でラッキーだったかもしれません。
勉強は塾に任せていられるのは大きなメリットで、こちらができることは子どもの健康管理。
当時はコロナ禍直前でしたが、まだそんなことを知る由もなく、せっせとインフルエンザ予防に努めていました。
首に除菌アイテムをかけさせたり、風邪予防によいとされるビフィズス菌飲料を飲ませてみたり。少しでも子どもの食欲がなかったり、少し鼻水をすするだけで大慌て。
とにかく「無事に受験を迎えられますように」ということを考えて落ち着かない日々でした。
そんな母たちの想いを知らずに息子たちは塾が終わるとコンビニに走っていってアイスを買い、路上で食べたりしています。
心臓に悪いからやめてほしいと思いつつ、変にプレッシャーを与えるよりも平常心でいたほうがよいと元気な子どもたちを眺めていました。
そうこうするうちに、1月20日の千葉受験。2月1日本番まであと10日となりました。
地方受験は1校経験したので、わざわざ千葉まで行く必要があるのかなぁと思いましたが、先生いわく「地方受験と違い、千葉は本当に入学したい子の割合が増えるので、雰囲気がより本番に近い」とのこと。
浦安にある受験校まで先生が連れて行ってくださるということで、朝5時に駅集合。外は真っ暗です。とても寒い中、月が美しく輝いていました。
子どもたちは旅気分で、先生の引率の元、ワイワイ出かけて行きました。
こちらも無事合格をいただき、残された10日間。おちゃらけていた息子も、そろそろ本気を出してくれるか?と思っていた矢先、事件は起こりました。
残り10日。「受験勉強飽きた!」
塾から帰るなり息子が「ねぇ、受験まであと1週間もあるの?もう早く終わりたい!受験勉強飽きた!」と言うのです。
やる気のない子でも、受験間際に本気のエンジンがかかることがあると聞いていたので、少し期待していたのですが、まさかの「やる気をなくす」って何ごと!?大慌てで塾に電話し、担任の先生に「息子がやる気をなくしたと言い出しました!」と叫びました。
先生も「そうなんです…きょうお電話しようと思っていました…。あと少しなんで、やる気があろうがなかろうがやっていただくしかないんですよね。なんとか考えてうまく仕向けますのでお任せいただけますか?」とのお言葉。
「もう受験校対策としては仕上がっているし、過去10年分の過去問も毎回合格点のボーダーラインを大きく超えている。ただしここで手を緩めると忘れてしまう可能性があるのでキープをする必要がある。それは塾でなんとかしますので」と丁寧に現状を説明してくれました。
ベテランで、いつでも確信をもってアドバイスをくださる担任の先生は、わたしたち保護者の精神安定剤の役目も担っていただき、本当に助かりました。
鼻息荒く大慌てで電話したわたしも、担任の先生と話すうちに徐々に気持ちが落ち着いてきました。
いずれにせよ勉強は塾に任せるしかない。「塾のお友達ともあと1週間しか一緒にいられないのだから、とりあえず通いなよ」と言ってなだめました。
同時期に、息子と仲良しのお友達も同じ現象が起こっていたようです。
ママから「息子がスランプです」って電話がかかってきたとのLINE。本気が出てない状態でまさかスランプが来るとは思わなかったと嘆くママとふたり、「あと1週間頑張ろう!」と励まし合いました。
あとから聞いた話ですが、息子とそのお友達は2人は、負荷が軽い基礎の問題集を一冊仕上げることを目標に取り組んだとのこと。
基礎を固めることはマイナスにはならず、簡単な問題をやることで「もういやだ!」を回避するようにうまく持っていってくださったようです。
中学に入ってから、当時のことを息子に話したら、自分がもういやだと言ったことはすっかり忘れており「あいつと2人で最後の一週間、問題集をやったときが一番本気が出た」と言っていました。あの「もう嫌だ」発言を忘れるとはまったく…。
おそらく先生の持っていき方がとても上手で、問題集を一気に一冊仕上げるというわかりやすい目標設定に燃えたのだと思われます。本当に先生には頭があがりません。
「受験勉強飽きた」発言から数日。いよいよ1月31日となりました。あすはついに本番です!
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