理想は「夫婦平等」だけど、現実は…?
続いて夫、妻ともにフルタイムで働く夫婦の、家事分担に対する理想と現実について見ていきます。
理想とされる家事分担比率は、夫婦平等である「夫50%:妻50%」が43%で、昨年と同様に最多でした。
しかし現実を見ると、「夫50%:妻50%」は13%に留まり、もっとも多い分担比率は「夫10%妻90%」で、理想と現実の間に大きなギャップが生じています。
また、夫側に比べ妻側の家事分担比率が高い家庭の方が多く、妻が80%以上の家事を担っている(※2)と回答した人が、フルタイム共働き家庭の半数を占めました。
フルタイム勤務をしながら、80%以上の家事を担う…。想像を絶する忙しさです。
もしかすると、妻の家事負担が大きいがゆえに、30代、40代まで働き続けることが難しくなってしまった、ということもあるかもしれませんよね。
夫婦平等という理想が進む中、現実は後退…
今回の調査を通じて、家事分担の理想は「夫婦平等」と回答した人が最多であり、そのスコアはわずかながら昨年よりも2.4ポイント増加しました。
しかし、先ほどの図から見て取れるように、実際の男性の家事分担比率は昨年に比べて全体的に減少しています。
夫・妻ともにフルタイムで共働きの夫婦が増加し、家事分担比率は男女平等という理想が進むなか、現実は後退している実態が明らかになっています。
冒頭のコメントを寄せてくれた男性(夫側)にも話を聞いたところ、
- 理想は夫婦平等だが、職場の雰囲気がまだ追いついていない
- もっと負担したい気持ちはあるが、仕事上残業が多く、困難だ
- 休日は積極的にやるようにしているが、平日は難しい
という現状が聞かれました。
女性(妻側)からは、
- 夫の役割も作ってはいるが、自分の方が負担が大きい。育休中なので何とかなっているが、復帰後の生活が不安だ
- 夫の職場が古い体質で、帰宅時間が遅く、平日の分担は望めない
- お互いフルタイムで仕事をしているのに…。正直、不平等だと感じて不満がある
- いまは家事を7割程度負担しており、体力的にもフルタイムだと限界がある
という嘆きの声が…。
「夫婦平等」という理想はお互い共通しているけれど、特に夫側の職場環境や風土(雰囲気)、業務のボリュームなどが、「夫は働きに出て、妻が家を守る」という旧態依然としたものから変化していないことも家事分担がうまくできない要因になっているのでしょう。