「食は五味五感で楽しむ」とも言われています。五味(甘味、酸味、苦味、辛味、塩味)と五感(味覚・視覚・嗅覚・触覚・聴覚)は、おいしさを決定づける重要な要素です。
このうち「音(聴覚)」については、食事の際のBGMなどが重視されていましたが、「食べるときの音」についてはあまり注目されていませんでした。
一方、最近のトレンドニュースでは音を扱う「ASMR」がヒット予測の上位にランクインしており、直近の検索数(Google Trends)も2017年比で約6倍に上昇。Youtubeでも多数の動画が投稿・視聴されており、インスタ映えするフォトジェニックならぬ「音ジェニック」というキーワードも登場しています。
これらのトレンドから、積極的に音を楽しむ様子がうかがえます。そこで今回は、食にまつわる「音」についての調査結果をご紹介しましょう。
7割が「音が好きな食べ物がある」
400名超の女性へのアンケートでは、全世代を通じて約7割の方が「音が好きな食べ物がある」と回答。この傾向は若い世代ほど顕著に出ており、20代以下の女性に限定すると、8割以上の方が「ある」と回答しました。
また、「食べているときの音が好きで食品を選ぶことがある」と答えたのは、全体で約2割。こちらも若い世代ほど高い傾向となり、20代以下の女性では約3割の方が「ある」と回答。逆に60代以上では「ある」と回答されたのはわずか5%という結果になりました。
これらの結果から、若い世代ほど食品の選択時に「音」が影響していることがわかりました。
好きな音に求めるのは「軽快さ」、次のブームは「パリパリ」!?
具体的に好ましい音については、6割以上の方が「サクサク」音が好きと回答。次いで「パリパリ」「シャキシャキ」「カリカリ」と並び、さわやかで軽快、小気味よい音が好まれている様子がうかがわれます。
特に、第2位となった「パリパリ」音は、割る体験を伴うため、口の中だけでなく、食事全体で幅広い接点があります。これまでトレンドだった「サクサク」に代わり、次の音ブームの牽引役として期待されます。
若い世代ほど、食事の音に敏感で積極的
食べるときの「音」については、若い世代ほど敏感なことがわかりました。「食べているときの音が好きな食べ物がある」「食べているときの音が好きで食品を選ぶことがある」「食べるときに音が出るという理由で食品の購入をやめることがある」のいずれの質問も、若い世代ほど高い結果が得られています。
一方で、自分や他人が発する「食事の音」はどの世代でも強く意識されており、8割前後の方が気を使っていることが明らかになりました。
この結果から、食事の「マナー」としての音は全世代が意識しつつ、若い世代ほど積極的に「食と音」の関係を楽しんでいる様子がうかがえます。