最初のプリクラであるアトラス社製の「プリント倶楽部」が渋谷のゲームセンターに登場したのは1995年のこと。
女子高生の間では「プリ帳」という小さなノートに貼って持ち歩き、友達と見せ合い、プリクラを交換することが流行しました。
2002年には売上高が600億円規模まで伸び、まさに「プリクラ黄金期」の時代。
しかしスマホの登場を受けてプリクラの利用者は激減しました。年間売上高は2007年の約307億円から10年後の2017年には約220億まで落ち込んでおり、現在のプリ機市場は約9割のシェアを握る「フリュー」1強となっています。(平成29年度アミューズメント産業界の実態調査報告書より)
しかし、それでもまだゲームセンターに足蹴なく通う女子高生・女子大生が多くいるのも事実です。
スマホを使えば無料で自撮りができるこの時代に、なぜ彼女たちは「400円」を支払い、プリクラを撮るのでしょうか。株式会社ネオレアの調査結果を紹介します。
カメラアプリ=日常のひとコマ、プリクラ=イベントや記念日
プリクラを撮りたいと感じる理由について、1番多かったのは152人中134人と90%近くが回答した「記念に残したい」でした。
さらに深ぼると、プリクラではイベントや記念などちょっとした特別なときに撮影。スマホカメラでは、どこでも手軽に撮影が出来るため、日常の何気ない思い出を撮るという使い分けをされていることがうかがえました。
また、プリクラは現在もすごいスピードで進化をしており、1回400円を払えば照明や高機能のカメラ、加工機能で簡単に「盛る」ことができます。女子高生・女子大生は「プリクラ=絶対に盛れる」という確信があるため、400円を払いプリクラを撮っているようです。
現在のSNS=昔のプリ帳?
撮ったあとの行動としては、プリクラデータをはじめ、プリクラ機のなかでの自撮りや、らくがき画面を「Instagramのストーリーズやフィードにアップ」が1位。
その後、遊び終わったあとに「プリクラのデータを友達に共有」が2位となりました。
最近のプリクラ活用法の1つは、4位に上がったスマホのクリアケースに入れることです。
スマホの台頭によりプリクラをデータで送信することが定番化したため、シールの使い道がなくお財布に入れっぱなしという人が多いようです。
せっかくシールがあるなら、活用したいという方はぜひ試してみてください。
現在はスマホの影響を受けてSNSにプリクラをアップすることが定番となっていますが、ひと昔前まで流行っていたのが「プリ帳」です。
2000年代初期にポスカやシールを使って身の回りのものをデコレーションする「デコ」ブームの影響を受けて、プリ帳ブームが起こりました。
「プリ帳」という自分の世界観を小さなノートに込めて持ち歩き、友達と見せ合い、欲しい写真と交換するという極めてアナログな形。
写真をシェアしたり、拡散したりするコミュニケーションはこのころから萌芽していたと言えます。
プリ帳はインターネットがない時代に、「自分の世界観を創る」点や、友達と見せ合い、欲しいプリクラと交換するという点では、若き女子が生み出した「アナログ番インスタグラム」かもしれません。
スマホ時代のいまでは、文字書きやのり付けなどの作業をアプリ上で行うようになりましたが、プリ帳のようにプリクラをシェアして拡散するコミュニケーションは現在も続いています。