外からは見えない精神的DV
ライターT:それはまた、持つべきものは友達ですね。しかもタイミングがすごい。もう「出るべくして!」って感じだったのかもしれませんね。
レイコ:私も本当にそう思ってる。遅かれ早かれってのはあったし、家貸してくれている友達が離婚経験者なのもあって、すごく親身になって話を聞いてくれたんだよね。
ライターT:で、具体的にどんな感じで「もうこのダンナ限界」ってなっていったのかをお聞きしたいのですが。確か結婚して20年近かったですよね?
レイコ:そう、今年で19年かな。上の子が生まれて18年になる。どんな感じか具体的に話したら色々ありすぎてまとまらないけど大丈夫?(笑)
ライターT:いや、それは困る(笑)。そうしたら、これはないわ〜ってエピソードを聞かせていただけますか?
レイコ:一言でいうと、うちの夫は「モラハラ」夫だね。
ライターT:ここ数年よく聞きますよね、その言葉。でも、ご主人に何度もお会いしてるけど全然想像できない。名門大学出身の銀行員で、長身爽やか系。いつもにこやかだった印象です。やっぱりご家庭のことは、外にはわからないものですね…。で、どんなところが?
レイコ:ありすぎてね〜…。
ライターT:まず、発言とかですかね?
レイコ:まあそうだね。というかそれがほぼ。肉体的ないわゆるDVとかはなかったから。でも家を出てから役所に届けを出すために別離手続きしたときに専門家の人とも話したんだけど、「典型的な精神的DVっていってもいいですよ、それ」っていわれたよ。
ライターT:マジ?暴言吐いてくるとかですか?
レイコ:それが違うのよ〜。怒鳴って何かいうとかじゃないわけよ。いわゆる「マウンティング」だよね。
妻を支配下に置きたがる夫のマウント行為
ライターT:はぁ?信じらんない!誰に対してもマウンティングは考えものですが、レイコさんみたいな高学歴で美人な女性がマウントとられるなんて。
レイコ:だからじゃん?とかいって(笑)。まあでも実際に、それは少しあるのかなぁ…。夫とは大学の同級生なんだけど、学部の偏差値は私の方が上で。それ以外にもいろいろな部分で「自分の方が劣ってる」って思っているのか、変な対抗意識を持って話してくる感じはもともとあったような気がする。意味不明だよね、こっちは対等な関係である妻なのに。夫にいわせれば「男のプライド」ってものなのかもしれないけれど…。
ライターT:いつもじゃないですよね?どういうときにそういう態度や発言になるんですか?
レイコ:やっぱり、家事育児についての話のときじゃないかな。お金の話とか子どもの教育の部分とかで話し合いと思って相談したりしたときが多かったかな。うちは私が数年前までは専業主婦だったし、夫が銀行員だということもあって、お金の管理は任せてたのね。
ライターT:今月生活費足りないので少し追加してください、みたいなことが?
レイコ:そう。そうすると、「なんで足りないんだ」とかネチネチいってくる。そうだとわかってるから、こっちもどうして必要なのかとか、何にどれだけかかってるとかを細かく全部リストにして提出して話すようにしてたんけど、そういうのが気に食わなかったのかな。
ライターT:いや、当たり前のことじゃないですか。相手にわかってもらうにはきちんとした説明しなきゃなんだし。何より大事な家計の話だし。「ネチネチいってくる」ってのが気になるけど、つまりは、価値観が合ってなかったってことですかね?
レイコ:一言でいうとそうかもね。でも、価値観の不一致だけで別れていいのなら、世の中もっと離婚だらけだよね。
うちの場合は、たとえば、いまの子どもたちにはいまの育て方やそれにまつわるお金のかかり方があるわけじゃん?しかも、私たちは都心で生活してるわけで。それなのに、田舎出身の夫は「俺が子どものころは…」とか平気でいいだすタイプで。
ライターT:でた〜!
レイコ:やばいよね。夫とお金の話をするのが嫌すぎて、恥ずかしながら妹にお金借りたことが何回もあった。でも、そんなのまだいい方よ。お金の話はどの家庭も色々あるだろうし。一番腹が立つのが、空気が読めないというか、それは仕方がないにしても、目の前でコミュニケーションをとってる相手の気持ちを理解しようとしないところ。
ライターT:私は正直、空気読めないのもイヤだけど…。相手の気持ちを理解しようとしないって、発言や対応が自己中ってことですか?
レイコ:まさに。自分のことしか考えてない。そしてそれをまったく自分でわかってないっていうのが終わってる!無意識だから余計に罪深いわよ。