「お前たちのために働いてきてやってる」
ライターT:そしたら、そういう父親の行動や言動のウザさが積み重なって、子どもたちも嫌になっちゃったというか、傷ついちゃったんですかね?
レイコ:徐々にね。基本的には優しくて穏やかな人だったと思うんだけど、単純に相手のことを考えないから、そんなつもりがなくてもうっかり相手が傷つくような言い方をしてしまったり、気づかないままひどくなっていったって感じだよね。
ライターT:最初は母親としてフォローしてたんだ?
レイコ:もちろん。だけど、だんだん、これは子どもがいってる方が正しいなというか、私も嫌だなって思うようになっていった。それがいいってわけじゃないけど、面白いこと言えるタイプの人でもないから、笑いに変えるとかもできないし。まあ、そうなるとだんだんこちらも、彼に対する態度が変わってきてはしまったよね。
ライターT:そうなるとご主人はどうなるの?
レイコ:リビングで3人そろって普通に会話を楽しんでたりすると、わざと「うるさい!」とかいってヘッドホンしてテレビ見出したりする。
ライターT:(苦笑)
レイコ:じゃあ、自分の部屋いきなよって思うでしょ。多分、自分は仲間外れにされてるって勝手に思ってて、だけど素直にいえないからよくわからない威圧的な態度とる。そしてまた子どもに嫌われる。
ライターT:やっぱりちょっと子どもみたいですね、ご主人。
レイコ:かわいくないけどね。もはやその態度とかはもういいんだけど、何かにつけて「俺はお前たちのために嫌な仕事もする。働いてきてやってる。誰のおかげでいまの生活があると思ってるんだ」という。それが本当にきつかったな〜。
ライターT:はい、アウトー!互いを尊重せず、ただ働いてきて“やってる”は最悪ですね。
レイコ:いや、「別に頼んでませんから」みたいな。嫌ならやめて私が働くことも考えればいいし、キャパは人それぞれだけど、世の中もっと大変な仕事をして朝から晩まで休みなく働いてる人もいるしね。
稼いでるのに古い団地に住む理由
ライターT:そもそも、そういう文句をいわれる意味がわからない。だってレイコさんの家庭、贅沢してたりするわけじゃないですよね。
レイコ:贅沢してないどころか、月の家計が決まってたから節約だってちゃんとしてたし、風呂場がカビだらけになってる古い団地に何年も住んでるのもずっと我慢してるよ。
はっきりいって、まあまあ稼いでる方だと思うよ、うちの夫は。せめて、もう少しいい条件のマンションにも住めるのに…。そういうところが夫の謎なとこよ。ただのケチとも違うし。
ライターT:なんで引っ越さないんですか?
レイコ:以前、子どもたちもこの地域の学校に行ってるし、成長して大きくなるから、もう少し広いマンションを買ってもいいかもねって話したことがあるんだけど。そのときに一言、「俺は地元にしか家を買う気がない!」っていったのよ。
そういうの、結婚後にいうとかナシでしょ。私はちゃんと「都内を離れる気はないからね」って初めのうちに伝えてた。多分、「どうせ結婚して専業主婦になったら、レイコは俺に付いてくる以外に選択肢はない。だから地元にだって来るだろう」って、高を括ってたんだと思うよ。
そんなこともあって、将来夫と一緒にいられる気がしないっていう気持ちが加速していったんだよね。実は15年くらい前にも、この件で家出して実家に帰ったことがある。
ライターT:もうすでに1回、大騒動を経験していたんですね!
レイコ:そう。だから、私にとってはもうこれが最後と思ってる。夫は2回目の別居を叩きつけられたわけだけど、それをどう感じて対応して来るかだよね。まあ、私に気持ちがないから、復縁は絶対ないけど。