ジコチュー。それはモラハラの始まり
ライターT:終わってる!って…(笑)。自分のことしか考えてないっていうところ、一個でいいから何か具体的なエピソードを。
レイコ:だから一個じゃ終わらないよ(笑)。そうだな〜、たとえば妊娠中、もう臨月でかなり身重なときに買い物に行って、ゆっくり歩くじゃんこっちは。しかも真夏。そんな私を見て「もう少し早く歩けないの?」とか普通にいってきちゃう。
相手の状況見てたり、気持ち考えてたらその発言ではなく違う言葉をかけてくれるでしょう?びっくりしたよ、正直。私はのんきに彼は優しい人だと思ってたから。
ライターT:私、その時点で無理だわ〜。すみません…。
レイコ:でしょ?妊娠中ってこともあったから余計イラついたけどさ、そのときは彼も初めて父親になるし、まだ20代で若かったから、これから一緒に親になる過程で成長していけたらいいと思ってた。けどさ……
ライターT:けど?
レイコ:そこからは、それどころじゃ済まないことの方が多かった。
ライターT:子どもが生まれてからの方がひどくなったってことですか?
レイコ:そうだね。ひどいっていうか、まあ日常生活だからさ、彼にとっては当たり前のことかもしれないけど、こっちは違和感しか覚えなくなってきた。その違和感っていうのが、知らず知らずのうちにモラハラされてたからなんだって、だんだんわかってきたよ。
たとえば、まず家事はやらない。たまにやったとしてもちょっと洗い物くらい。それで「やってあげた」ってドヤ顔。
ライターT:でた〜!さっきのお金や子育ての話と一緒で、時代錯誤ひどくないですか?
レイコ:そこね。まあ、本人は母親が専業主婦、父親は家事やらないって家で育ってきたからしょうがないのかもしれないけど。でも、それは私が育った家庭も一緒だよ。
「いま」を見ることができないところとか、状況や環境に合わせて自分を変えていくとか成長しようとできないところにどんどん不安や不満が増していった。
ライターT:それは、2000年代に都心に住んでたら不安になりますよ…。もう昭和じゃないどころか、平成も超えて新時代なのに。
レイコ:まぁ、家事はこっちがやった方が早いし、まだいいとして。育児というか子どもへの接し方とかが、だんだん気になるようになったんだ。
ライターT:たとえば?
レイコ:真剣に勉強したり遊んでいたりするときにちょっかいを出してきて、「辞めて」といってるのに辞めなかったり。
ライターT:子どもか!
レイコ:本当に、どっちが子どもだよ!って思うでしょ?なぜ嫌なのかっていう理由も子どもの方がきちんと論理的に説明してお願いしてるのに辞めないの。
家の中で自分の持ち物がなくなると、「絶対ここにおいたはずだ、お前がどっかにやったんだろう」って子どもを責めて、その後別の場所で出てくるなんてことも日常茶飯事。もちろん謝ったりしない。そのほかにも子どもに八つ当たりすることがしょっちゅうあった。
そんな父親に愛想を尽かして、子どもたちは小学校高学年くらいから父親に対して結構ドライな対応をし始めたんだけど…。
ライターT:レイコさんの血を感じる(笑)
レイコ:まあ、子どもたちは私と一緒にいる時間の方が長いからね…。夫婦関係の変化によって子どもたちに悪い影響は与えたくないと思って行動してたけど、やっぱり運命共同体だよ(笑)