HSPの対処法
HSP気質を持つ人が日常生活をおくるうえでは、以下のことを意識するとよいでしょう。
「シャットアウト」の訓練をする
HSPは、自分が望んでいなくとも多くの情報が入ってきたり感じ取ったりしてしまうため、普通に生活するなかでも精神的に疲れてしまいがち。周囲に苦手な人がいる場合は、情報を「シャットアウトする」癖をつける訓練をおすすめします。
たとえば、いつもひと言多い、ネガティブな感情を向けてくる、キツいものいいをしてくるなどの人がいてもすべて受け入れるのではなく「ここの部分は聞くけれどここは受け入れない」「この人の機嫌は自分には関係のないこと」などと、気持ちのうえで遮断してしまうのです。
最初はむずかしいかもしれませんが、意識的にやっていくことで、少しずつシャットアウトができるようになってくるでしょう。
自分と他人に線引きをする
HSPの人は、他人の感情を自分のことのように感じることができます。「人の痛みがわかる」という点や人に寄り添えるという点では素晴らしいことですが、適度に人と自分との間に線引きをすることは、自分の心を守るためにも必要です。
「これは自分に起きていることではない」とまず割り切ったうえで考えたり人と接するなど、過剰に落ち込み過ぎないよう、適度にドライな感覚も持っておくとよいでしょう。
「疲れにくい環境」に身を置く
HSPの場合、たくさんの人とかかわったり人との間に入って調整したりする仕事や、自己主張が激しかったり感情をストレートに出したりする人が多い職場は人よりもストレスを感じやすいため、あまり向いていないといえます。
その場の雰囲気や周囲の人のことが気になりやすいゆえに、自分の能力やよさを発揮できなくなることも少なくないためです。
家でできる仕事や人と顔を合わせる機会が少ない仕事、パーテーションで区切られているなど自分の空間が確保された職場などを選ぶのも、ひとつの方法です。それらがむずかしい場合も、1人だけで過ごせる時間は確保したほうが、精神的にリラックスできるでしょう。
SNSやネットなどを見過ぎない
HSPの人は他人の感情などが自分の中に入り込んできやすいため、人の意見や思想などが書かれたSNSやネットのコメント欄などは、むやみに見過ぎないほうがよいでしょう。
前向きなものやよいことが書かれているものであれば問題ありませんが、ネガティブな内容のものは、必要以上に傷ついたり落ち込んだりすることにもなりかねません。
SNSにストレスを感じている場合は思い切ってやめてしまう、情報収集にのみ使うなど、工夫して付き合ったほうがよいでしょう。
「違う自分」になろうとしない
HSPの場合、克服したり直そうとしたりするのは、あまり得策とはいえません。たとえば無理やりガサツな性格を演じても、すぐに疲弊してしまう可能性が高いといえます。
生活をしていくうえでは、ときには自己主張をする、あえて空気を読まず行動することなどが必要なシーンもあります。ただし基本的には、本来の自分を否定するのではなく受け入れたうえで生活することを心がけたほうが、HSPの人は穏やかに過ごせるでしょう。
自分の感情を出せる場を見つける
HSPの人は、日常で感じたことや自分の気持ちの機微などを表現できる場所があったほうがよいでしょう。たとえばアート作品をつくる、個人のブログなどで文章に起こす、などです。また、一心不乱に身体を動かす、無心でできることなども◎です。
人よりも何かと気づいたり感じたりすることが多いHSPだからこそ、自分の感情をよい方向に消化したり、発散したりできる場を持っておくことをおすすめします。
自分を理解してもらう努力をする
HSPのような気質の人がいるのと同じように、オープンで人との距離が近い、思ったことは深く考えずすぐに言うなど、気質やコミュニケーションの取り方は人それぞれ。
人知れずストレスを溜めてしまうことがないよう、HSPの人は「自分はこういう性格やキャラクターだ」「自分はこう考えている」ということを周囲に理解してもらうための工夫は、可能な範囲でしていったほうがよいでしょう。