こんにちは。韓国在住3年目のHAZUKIです。韓国人男性と結婚し、現在は韓国で日本語講師として働いています。
韓国にいながらも、日本で話題になっているニュースには目を通すようにしているのですが、「日本は不倫関連のトピックスが多いな」と感じます。芸能人の不倫がスクープされると、SNSなどでバッシングが起こりますよね。そしてそれをワイドショーなどが取り上げる。ひとつの不倫がしばらくSNSやメディアを賑わせることも、めずらしいことではありません。
そんな日本の風潮を、韓国人はどのように感じているのでしょうか?また韓国で不倫報道はどのように報じられるのでしょうか?
今回は「日本人と韓国人の不倫報道に対する反応の違い」をテーマに書いていきます。
韓国では「不倫=罪」だった
その前に、韓国人の不倫についての認識をお伝えします。
韓国人の不倫に対する捉え方は、日本と比べてかなり厳しいです。不倫騒動なんて起こそうものなら、相当なイメージダウンにつながります。芸能人であれば、すべての契約が打ち切りになり、今後も仕事が回ってこなくなります。不倫をした人はまるで犯罪者のように扱われます。
その背景には、韓国では2015年まで姦通罪が存在し、浮気や不倫は犯罪に該当したことがあります。いまでは姦通罪は廃止されたので罪に問われることはありませんが、6年前までは浮気は犯罪だったので、「不倫=非常に悪いこと」という認識がまだまだ色濃く残っています。そのため、不倫が明るみに出た芸能人は、一生犯罪者のようなレッテルを貼られ生きていかなくてはなりません。
しかし、韓国は日本に比べて自分と関係のない人にはそこまで興味がないようです。もし芸能人の不倫がニュースになったとしても「ああ、彼(彼女)は終わったね」というくらいで話が終わります。
日本ではスクープがあると、同じ内容を何度も扱ったり、さらに深掘りしたりしますが、韓国でもし不倫のスクープがあっても、その日のニュース1度で終わる程度です。
なぜ自分とは無関係の不倫について詳しく知りたいの?
不倫については厳しく考えている韓国ですが、日本のワイドショーのように詳しく経緯を説明したり、何度も繰り返しトピックとして扱ったりすることはしません。
韓国人からすると、「なぜ自分とはまったく関係ない人の話を詳しく知りたいの?」ということだそうです。
もちろん韓国にもゴシップ好きな人はいるので、個人的に調べたり、情報を集めたりする人はいるとは思いますが、かなり稀です。
韓国人も激怒した、2020年の不倫ニュース
このように芸能人の私生活などにはあまり関心を持たない韓国人ですが、2020年に韓国国内でかなり話題になった日本の不倫騒動がありました。
何だと思いますか?
東出昌大さんと唐田えりかさんの不倫です。
その理由は、韓国のCMに出ていた唐田えりかさんの印象がかなりよかったからです。
唐田えりかさんは、韓国でも人気があり、清純派のイメージを抱いている人が多かったため、「だまされた!」という意見をSNS上でよく見かけました。
この不倫騒動、日本では、ふたりの交際期間や杏さんの苦悩、唐田えりかさんの“匂わせ”Instagramについて注目されていることが多かったように思いますが、韓国では「いいイメージを持っていたあの子が不倫していた!」という意外性で話題になっていた印象でした。でもメディアでは1日、SNSでも1週間を過ぎると話題にあがることはなくなりました。
個人主義といわれる日本ですが、こうして考えると、人のことがとても気になる人が多いのかな、と思います。実際に、ゴシップ雑誌やワイドショー、インターネットの記事にも、他人の話題が多く上がっています。
一方韓国は、まわりにいる人のことは関心があるけど、自分と関係のない人に関しては興味がないといった感じです。このような性質も、不倫スキャンダルに対する反応の違いを生んでいるのかもしれません。
韓国ではSNSで不倫叩きは起きないのか?
韓国ではSNSで叩かれて自殺した芸能人も何人かいるのに、不倫は別なのか?と疑問に思ったかたもいるかもしれませんね。
日本のネットニュースなどで「韓国のSNSは芸能人を自殺に追い込む」といった趣旨の記事をみたことがあります。
これは半分合っていて、半分違うといえます。
なぜなら私が見る限り、芸能人を自殺に追い込んだのは一般人のSNSというよりは、日本でいう2ちゃんねるのような特定のネットユーザーたちであることが大半だからです。
残念なことに、日本に限らず韓国でもネットで誹謗中傷をする人たちはいます。そのような人たちは発信すべき理由があって書き込みをしているというよりは、書き込みをすること自体を楽しんでいるように見えます。妬みが発端になっていることが多いため、人気がある人ほど中傷される傾向があります。それは不倫であっても、それ以外の理由であっても同じです。
日本のネットニュースで、「KARAのク・ハラさんがSNSの誹謗中傷が原因で自殺したという」記事を見かけましたが、これも私が韓国で目にした報道とは少し違います。
韓国の放送局・SBSは、「ク・ハラさんにはもともと悩んでいたことがあり、弱っていたところにSNSの中傷も受けてさらに弱ってしまった」と報道していました。SNSもク・ハラさんの自殺の原因のひとつにはなりましたが、それがすべてではないということのようです。
韓国に住む身としては、日本の報道が少し偏っているなと感じることもあります。そのことについては、また別の記事でしっかりとお伝えしていけたらいいなと思っています。