子どものつながりで縁ができたママ友。環境が似ていれば仲良くなるのも早いですが、一方で価値観や考え方が合わないとストレスを抱えるお付き合いに発展する恐れもあります。
子どもが介することで距離の取りづらいママ友は、「聞きすぎない」「言いすぎない」ことも重要。
自分の気持ちだけで暴走しがちなママ友とはどんなトラブルが起こるのか、実際のケースをご紹介します。
他人の幸せに水を差さずにいられないママ友

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「娘の通う幼稚園で知り合った女性Aさんは、明るく気さくに話ができてすぐ仲良くなりました。
少し前にこの土地に引っ越してきた私にとっては、知り合いが少ないなかでできる友人は本当に貴重でありがたいと思っていました。
ほかにも、子どもたちも仲がいい数人のママ友ができ、みんなでグループラインを作って日々いろいろな情報交換をしていたのですが…。
Aさんの旦那さんが家族で自営業をされていて、普段から『義実家が土地持ちだから収入が多くて』『夫は議員の○○さんと知り合いで』など、会話のなかでちょこちょことマウントを取るような発言があったのですね。
最初のうちは『すごいね』『羨ましい』などと返して私やみんなも、夏休みに入ったら『義実家がお金を出してくれて○○に旅行するの』など自慢のようなメッセージが飛び込んでくると引き気味になり、私は返事をするのが面倒でリアクションで済ませるようになりました。
私を含めほかのメンバーは夫がサラリーマンの共働き家庭で、自営業の話は興味深いけれど『会社勤めじゃ味わえないことよ』など書かれたらやっぱり屈折するし、特に親しいBさんとは『反感を買うってわからないのかもね』と個別のLINEで話すこともありました。
それに、お金持ち自慢をする割に着ている服やクルマは高価なものではないし、義実家は裕福でもご自分の家庭は違うのでは…と思ったことも何度かあって。
育児や家事の話題では盛り上がるし公園で待ち合わせてみんなで遊ぶのも楽しいし、Aさんのマウントを取りたがるところ以外は受け入れてお付き合いができていたのですよね。
関わりをやめたのは、次の年の春のこと。メンバーのひとり、Cさんが『息子が○○高校に合格したの!』とグルーブラインに送ってきたことがきっかけでした。
そこは県でも一番の進学校で、Cさんのお子さんが勉強をがんばっていたことや家族で支えてきたことを知っていた私は、素直に『おめでとう!よかったね』と返しました。
ほかのメンバーも同じくお祝いのメッセージを出すなかで、最後にAさんが送信してきたのは『これからお金が大変そう』『私立もいじめがあるし、気をつけないとね』と何ともテンションの低い言葉。これには読んだ私が焦り、すぐに『大丈夫だよ』と返信しました。
Cさんからのメッセージやリアクションはなく、どう感じているか内心ヒヤヒヤしていましたが、Bさんから『Cさんにメッセージもらったけど、Aさんにかなり怒っている』と来て心が冷えましたね…。
当のAさんはCさんの話題などもう終わったかのように子どもたちのクラス替えの話題を出してきて、それに反応するのもイヤでした。
結局これが原因でグループラインの空気が気まずくなり、誰もAさんの話に答えないまま、いまも沈黙が続いています。
Cさんは園で顔を合わせてもAさんを避けるようになり、私たちほかのメンバーとは話すけれどAさんのことには触れず、それに合わせて私たちも何となくAさんと接するのを控えるようになりました。
Aさんにあまりいい感情を持っていないのはみんな同じだったのだ、と改めて感じて寂しい気持ちもあったけれど、あんなメッセージを送る人間性はさすがに受け入れられず、いずれほかのことでもこうなったかも…と思います。
マウントは取るし人の幸せには水を差さずにいられないって、どこか満たされていないのだろうなと感じます」(42歳/金融)
仲良くしている人たちにマウントを取るまずさは、「自分がうえ」を実感したい、チヤホヤされたいという気持ちがわかること。
本当に裕福で心が満たされているのであれば、わざわざそれを他人に伝える気にはならず、あえて持ち出すのはかえって欲求不満の強さが伺い知れます。そんな自分を見て周りがどう思うかを想像できないのが、未熟ともいえますね。
メンバーの幸せを素直に喜べないのも、結局は「自分がうえ」でない現実が怖いからです。
子の進学のように、自力ではどうにもならないことでほかの人が幸せになると、悔しさを拭えずにこんなネガティブな発言をして敬遠されます。
発言は自分に返り、結局は誰からも顧みられなくなるのがマウントを取る人の最後。他人は自分を満たすために存在するわけではないことを、忘れてはいけません。